06733 文学をめぐって
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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1〜4 |
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辻本 裕成 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | 文学作品の享受にみる古典作品の新生 |
講義内容 | 本講義ではわが国を始め、東西の近代文学に現れる人間観ないし世界観について理解を深める。そのために、近代文学が生まれる前提としての古代、中世の文学をも視野に入れつつ、近代へ至る時代の営みを文学の視点から眺めてみる。具体的には、個々の代表的な文学作品を取り上げ、これらの作品の中に見出される世界や人間についての思想を分析し、それらの思想の背後にある歴史的、社会的背景をも検討する。 |
講義計画 | 日本の古典文学作品は、時代時代によってその享受のされ方を大きく変えることによって現代に伝えられてきた。改作・注釈・評論・説話化・絵画化など多岐にわたる古典作品の享受行為を作品や作家ごとに時代を追って分析することにより、古典文学における時代の「モダン」ということを考えたい。例えば藤原定家と式子内親王の恋愛は謡曲などにも取り上げられて有名であるが、史実としては認めがたい。けれどもそのような伝説が作られたことは決して日本文学史にとって無意味なことではない。定家と内親王の恋愛の伝説の付加という新たな「享受」が為されたことにより、定家と内親王の文学が「新生」したのである。そのような「享受」という文学行為の積み重ねを背後に持つからこそ古典は古典なのである。 具体的には 和泉式部の生涯と作品 和泉式部伝説の概要 式子内親王の生涯と作品 定家との恋の伝説の真偽 小野小町の作品と小町伝説 源氏物語の享受 について講義する予定である。 |
評価方法 | 持ち込み可の定期試験と、持ち込み不可の口頭試験との総合点により評価する。 |
テキスト | プリントを配布する。 |
その他 |