南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
細谷 博
他の科目との関連
履修対象学科
副題 小説の読みかた──太宰治、〈語り〉の魅力
講義内容  具体的なテキストの確実な読みと様々な解釈を提示することによって、近代文学作品の読解の方法を示し、自己の読み方に対する自覚と再検討とを促す。そうした検討の中で豊かな読みの可能性を追求するとともに、近代の人間と社会、その生き方と思想などの問題を、すぐれて表現されたものとして考察してゆく。
講義計画  「『人間失格』は笑いながら読め」──日頃、学生たちに話していることである。何より、すぐれた〈悲喜劇〉として出来上がった饒舌な世界を充分に味わうことを勧めたいからだ。「はしがき」と「あとがき」の面白さ、「手記」の語りのサービスぶりなど、いかにも巧妙につくられた作品と見える。その上で、さらに読み手につよく迫るものがあるとすればそれは何か、葉蔵の〈末路〉はどう読むべきか、等々をともに考えよう。
 暗い深刻なイメージに取りまかれた太宰治の作品を、その巧みな〈語り〉の分析を行いながら、生き生きとした表現世界として受けとめ直す。

1 導入
2 『人間失格』
3 同上
4 同上
5 同上
6 同上
7 『人間失格』と『お伽草紙』
8 同上
9 同上
10 同上
11 『人間失格』「如是我聞」
12 同上
13 「グッド・バイ」、まとめ

 できるだけわかりやすく、具体的に作品本文を読み解いていく。重要な箇所を随時ページ数で指摘するので、テキストは必ず指定のものを用意すること。
評価方法 定期試験により評価する。欠席過多を適用する。
テキスト 太宰治『お伽草紙』(新潮文庫)
太宰治『人間失格 グッド・バイ他一篇』(岩波文庫) その他
その他