南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3
担当者
坂下 浩司
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 現代英米哲学とギリシア哲学における心の哲学・行為論・倫理学
講義内容  数百万年におよぶ進化の歴史をとおして、人類は他の地球生命には見られない独特の生活形態を形成し、発展させてきた。それが今日われわれを生かしている文化である。人類文化学演習Iは、そのような人類の生き方としての文化を、歴史、生活技術、思想、社会、宗教など様々な切り口から研究し、人類の自己理解を深めることを目的とする。また、人類の文化はたんに過去の産物ではなく、歴史的な形成物としてわれわれ自身が次の世代に受け継がせていくべきものである。したがって人類文化の今日的課題と次世代の子どもたちに継承させる将来像を考えさせ、討論させることもこの演習の課題のひとつとなる。
講義計画  心と行為の関係について、主として現代英米哲学の手法を用いて、哲学的=倫理学的探求(心の哲学と行為論)を行います。現代英米の行為論では、古代ギリシアのプラトンとアリストテレスの行為論も問題にされます。したがって、このゼミでは、現代英米哲学とギリシア哲学の2つを同時に学ぶことができます。特定の分野の哲学知識は前提とされません。心の哲学と行為論および倫理学について初歩から勉強していきます。行為と規範、行為の理由と原因、意志あるいは意図、欲望と意志の弱さ、行為と倫理、責任といったテーマが扱われます。レポーターを2名、特定質問者を2名指定しておいて、報告してもらいます。レポーターは、最低 A4版1枚のレジュメを作成することとします。
評価方法  平常の出席・発言・レジュメの提出、そして期末のレポートによります。欠席過多、レポーターの無断欠席には、単位は与えられません。
テキスト  テキストは、黒田亘著『行為と規範』(勁草書房)です。このテキストは、全15章なので、順調にいけば秋学期の3〜4回目には読み終わるでしょう。残りの秋学期は、現代英米哲学の行為論をリードしたG・E・M・アンスコムの短い(一本6頁くらいの)英語の論文を丹念に読んでいく予定です。
その他