南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3
担当者
大塚 達朗
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 考古遺物研究による日本列島人類進化史──「縄紋土器の謎を探る」
講義内容  数百万年におよぶ進化の歴史をとおして、人類は他の地球生命には見られない独特の生活形態を形成し、発展させてきた。それが今日われわれを生かしている文化である。人類文化学演習Iは、そのような人類の生き方としての文化を、歴史、生活技術、思想、社会、宗教など様々な切り口から研究し、人類の自己理解を深めることを目的とする。また、人類の文化はたんに過去の産物ではなく、歴史的な形成物としてわれわれ自身が次の世代に受け継がせていくべきものである。したがって人類文化の今日的課題と次世代の子どもたちに継承させる将来像を考えさせ、討論させることもこの演習の課題のひとつとなる。
講義計画 1.南山大学人類学博物館で当館が所蔵する旧石器時代・縄紋時代各種石器資料や縄紋土器資料(全国の大学博物館所蔵資料中、群を抜いて豊富な資料)を実際に手にとって観察し、<個体識別法>を体得することから始める(その際に、剥片剥離技法や縄紋施紋技法や土器製作技法も学ぶ)。
2.考古学の最も基本的な概念である<型式>についての学習に移る。具体的には、旧石器時代・縄紋時代各種石器および縄紋土器の型式分類・記載のシステムを学習する。
3.学習した型式分類・記載システムを念頭において、新たに与えられた資料を観察し、型式分類を試みる(その際には、拓本・実測・写真という作業も行う)。
4.1〜3の課程を修得した後に(更新世から完新世への移行時の環境変化や縄紋海進海退時の環境変化を考古学的にどのように把握できるかを学習しながら)、縄紋土器の型式分類からどのような社会的コンテクスト<人類進化史>が解読できるのかを受講者それぞれが模索することを通して、考古学の醍醐味に触れさせる。
評価方法 出席状況や演習中の態度から判断する。
テキスト 甲野勇著『縄文土器の話』(學生社、1976年)、鈴木公雄著『考古学入門』(東京大学出版会、1988年)、大塚達朗著『縄紋土器研究の新展開』(同成社、2000年)

【そ の 他】直接、考古遺物を取り扱うので、くれぐれも壊さないように注意すること。
その他