22636 人間と文化(哲学と心の問題)
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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坂下 浩司 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 哲学と心の問題 |
講義内容 | 私達は、自分に心があると信じて疑わないし、自分の気持ちは自分が一番よくわかっていると確信している。しかし、その場合の心とは何を意味するのだろうか。それは他人や、異文化の人々にも共有されるようなものなのだろうか。それとも、自分だけがひそかに持つようなものなのだろうか。また、そもそも心といったようなものは存在するのだろうか。本講義では、このような観点から、人間の心について哲学的に考察することにより、人間の理解にアプローチする。 |
講義計画 | 哲学の中でも最も哲学らしいのが存在論であると言われます。存在論へ入る仕方にはいろいろありますが、自己の心を通じて存在の問題を考えるのが一番近づきやすい仕方であると言えるでしょう。テキストは、現代ドイツの哲学者であるハイデガーの思想を通じて、自己と存在の問題をわかりやすく考察していきます。ハイデガーの日本語訳は分かりにくいので有名ですが、このテキストは、できるかぎり理解可能なように意訳してくれています。引用されているハイデガーの文は短いものが多いので、ドイツ語のニュアンスも味わえるようにしたいと考えています。関連する哲学者の文章(プラトンやアリストテレスなど)も紹介していきます。 (序)生きてあることの理論としての「存在の哲学」 (1)存在にどう取り組むか (1−1)「存在そのもの」について考える(哲学と人生論とはどう結びつくか) (1−2)「意味」の解明を試みる (1−3)根本的な問いを考える (2)「自分が存在している」という事実をどう捉えるか (2−1)「自分」というのはなにか(下方が開いた弦としての「自分」) (2−2)自分は、「世界のうちにいる存在」である (2−3)「世界のうちにいる」とはどのようなことか (3)時間性の問題(「存在の意味」とは「時間性」のことである。途上としての自分) |
評価方法 | 毎回短い感想を書いてもらいます。したがって出席が前提となります。また、学期末に筆記試験を行います。 |
テキスト | 北川東子『ハイデガー 存在の謎について考える』(NHK出版、シリーズ・哲学のエッセンス)。テキストを読み上げて少しずつ解説していきますので、テキストを事前に購入しておいてください。 |
その他 |