24646 日本思想史1
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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櫻井 進 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 現代映画による現代日本社会入門 |
講義内容 | 近世から近代に至るまでの日本文化の特色を、儒学・国学・哲学などの思想的・文化的テクストを取り上げて、テクストの内在的な理解を図るとともに、中国や西洋の影響も視野に入れながら、社会的・歴史的な観点をも含めて総合的に検討する。 |
講義計画 | 今年度は文化的テクストとしての現代映画を取り上げ、そこに見られる現代社会のありかたや日本文化のさまざまな姿を検討し、現代社会でわれわれはどう生きるべきなのかを受講者とともに考えていきたい。 1.文化研究の新たな方法を表象文化(内藤正敏・荒木経維、宇多田ヒカル)と音楽とを素材として紹介し、現代日本社会をどう理解するかの指針を示す。 2.日本の変貌する家族の姿を日本最大の監督小津安二郎『東京物語』・『麦秋』から探り、戦前型の家族像の崩壊を追う。 3.高校受験を前にした家族の中に侵入してきたシャーマン(松田優作)が高層マンションに住む核家族を混乱に陥れる姿を森田芳光『家族ゲーム』に見る。 4.「大日本帝国」の光と陰をスピルバーグ『太陽の帝国』から考える。 5.異民族の共和を謳った「偽満州国」に巻き込まれた溥儀の運命ベルトリッチ『ラスト・エンペラー』から迫り、日本にとって「偽満州国」とはいったい何であったかを振り返る。 6.コメディアン・ビートたけしの分身である北野武監督作品『HANABI』・『その男凶暴につき』から中流化した戦後日本の市民社会に対する叛乱の可能性を探ってゆく。 7.日本にとってアジアとは何であったのかという問題を在日コリアンのタクシー・ドライバーとフィリピン人ホステスとの関わりの中で描いた崔洋一『月はどっちに出ている』から迫る。 8.日本映画のニューウェーヴ:若井俊三 9.宮崎駿の世界(1)「風の谷のナウシカ」・「天空の城 ラピュタ」 10.宮崎駿の世界(2)「もののけ姫」「千と千尋の物語」 11・12.今世紀最大の監督ヴィスコンティ『夏の嵐』・『ヴェニスに死す』・『地獄に堕ちた勇者ども』を連続したテーマを扱った作品として捉え、近代西欧が生み出した理性が凶気の淵に墜落してゆく戦慄すべき恐怖を探り、20世紀が抱え込んでいた現代的矛盾を考える。 |
評価方法 | |
テキスト | |
その他 |