南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
四辻 秀紀
他の科目との関連
他学科履修
副題
講義内容  日本美術の多様な側面を、時代的変遷を追いながら、具体的な絵画資料に基づきながら、様式やメチエなどを中心に明らかにして行く。
講義計画  日本人の美意識の代表として、文学や能・茶などの芸能の中で見いだされた幽玄・わび・さび、などがよく知られているが、一方ではこれらと対極をなす、華美や派手さを好む美意識の系譜があった。数寄と美麗を尽くした装飾や度を過ごした贅沢などを意味する平安時代後期の「風流・過差(フリュウ・カサ)」、倹豪奢・歓楽を追い求めた放逸で自在な風潮をいう南北朝時代の「婆娑羅(バサラ)」、並はずれて華美な風態をしたり、自由放埒なふるまいをするなど、常軌を逸した行動や精神・風俗を指して呼ばれた近世初期の「傾(カブ)く」などの言葉に代表されるように、自由な精神性に裏付けられた時世粧であり、時代の変革期に新しい時代の息吹を吹き込んだ原動力ともなった。
 本講座では、これらの言葉に示された各時代の美意識を、絵画・書・工芸品などの遺品と文献を通じて探求したい。

(1)概説
(2)〜(6)風流・過差の美意識(歌合や法華八講などの場で展開された美の世界)
(7)〜(9)婆娑羅の時代(闘茶と室礼)
(10)〜⑫傾く美の世界(近世初期風俗画に描かれた風俗と美)
   ※スライド使用。学外授業として展覧会の見学を行う。
評価方法 出席およびレポート提出
テキスト 必要に応じて資料を配付する。
その他