40121 文学研究の基礎(小説)B
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選必 |
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秋学期 |
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生野 芳徳 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | |
講義内容 | 小説というジャンルに即して、まず文学作品(fiction)のテクストの特性について理解させ、小説を構成する諸要素(素材、モティーフ、時間構造、登場人物、語りの視点、登場人物の内面描写の技法など)に注意を、向けさせた上で、Stanzel に代表される語りの状況(Erz撹lsituationen)に基づく小説類型論や、構造主義の理論、受容理論を紹介し、また作品解釈のための多様なアプローチの可能性(心理学的、社会学的、精神史的等の)を紹介し、作品解釈のいくつかの可能性を、事例テクストに即して具体的に示す。 |
講義計画 | 下記のような点について講義するが、これらはあくまで、学生諸君が自分で小説について考えるための手がかりに過ぎません。できるだけ、具体的に理解して、自分の思考を展開させてもらうように、小説のテクスト例もいくつか抜粋で提示しますが、それだけでは不十分なので、二篇くらいの作品を課題作品として読んでもらうことを前提として、講義の中でも扱い、そのテクストの分析と解釈のレポートを学期の途中でも書いてもらいます。 1.小説のテクストの特徴(テクストの種類の観点から) 事実を報告するテクストとフィクションのテクスト(原理的区別) 小説のテクストに内在する特徴(物語の過去形、登場人物の内面叙述、語り手) 2.小説の歴史(ドイツの例を中心に) 3.小説はどのようにして書かれるか。 素材、資料、構成、モティーフ、テーマ、間テクスト性 4.小説はどのように読まれるか。(小説の受容) 5.小説はどのように読まれるべきか。(小説のテクストの分析と解釈) 6.小説の構造 (1)作者・語り手・物語られた世界・読者 (2)語りの状況(Stanzel) (3)小説の時間 (4)登場人物の内的発話の諸形態(体験話法[自由間接話法]、内的独白) (5)小説の中の言葉 − 明示的な意味と暗示的な意味 (6)作品の「表層構造」と「深層構造」 7.具体例による分析と解釈 |
評価方法 | レポートに基いて評価する。(学期中に書いてもらうレポート、各講義の後で質問に答えてもらうものを含む。) |
テキスト | |
その他 |