南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
伊藤 高義
他の科目との関連 物権法、債権法総論、契約法と関連が深い。
他学科履修
副題
講義内容  日本の民法(民法典)は、第1編「総則」に続いて、第2編に「物権」の規定をおき、その中の、前半(第1章〜第6章)は、物権変動や所有権、地上権などについて規定し、後半(第7章〜第10章)で、抵当権、質権などの担保物権について規定している。
 抵当権、質権などの担保物権の目的は債権担保にあるが、その中心的な効力は、優先弁済権、すなわち、他の債権者を排してでも、抵当物件から優先的な弁済を受けることができるというところにある。
 民法(典)は、抵当権、質権など4つの種類の担保物権を規定しているが、融資金などに対するこのような優先弁済権を確保する債権担保の方法は、抵当権や質権だけでなく、「担保のために権利(所有権)を移転する」という「権利移転(所有権移転)」の形式を使っても行われている。これは抵当権や質権など、民法(典)が規定する4つの典型的な担保物権以外の債権担保の方法なので、「権利移転型の担保物権」とか、「非典型担保」とか呼ばれており、取引上も、重要な役割を担っている。また、相殺など債権法上の制度を使って、債権担保の機能を果たす取引も多く行われている。
 そこで、この講義でも、民法の定める4つの担保物権以外に、これらの非典型担保(譲渡担保、仮登記担保、所有権留保、相殺予約など)も取りあげる。
講義計画  下記の教科書を用いて、ほぼ、この教科書の記述の順にそって講義を進める。
 民法典の担保物権の部分は、留置権、先取特権、質権、抵当権の順序でこの4種類について規定しているが、抵当権は、日常的に身近かであるだけでなく、取引上ももっとも重要な制度でもあるので、まず抵当権の制度から講義に入り、以下、質権、仮登記担保、譲渡担保、相殺予約、先取特権、留置権の順序で進める。
評価方法  定期試験で評価する。講義の理解度を確認する趣旨で、途中で小テストも行って、評価に加味することも検討したい。
テキスト  平野裕之・古積健三郎・田高寛貴〔著〕『民法3 担保物権』有斐閣アルマ
その他