南山大学

 
指定
期間
4単位
単位
通年
担当者
(夏期集中)犬 木   努・(秋期集中)屋 形 禎

(夏期集中)
 〔埴輪研究の諸問題〕
 本講義では、①従来の埴輪研究において何がどこまでわかっているのか、②現在の埴輪研究では何を問題にしているのか、③今後の埴輪研究はどこをめざすべきであるのか、という三点を取りあげる。
 埴輪研究の今日的研究課題は、埴輪生産体制の解明——すなわち埴輪製作者集団の系統性および埴輪製作者の識別という点に絞られると思われる。このような視点から古墳時代の政治構造の一端に迫ることが可能になるはずである。埴輪の生産体制を明らかにするためには大きく3つの手続きを必要とする。第一に埴輪編年の確立、第二に埴輪の系統性の検討、第三に埴輪製作者集団の内部構造の検討である。本講義ではこの三つの手続きについて、具体的に触れることにしたい。
 なお近年、埴輪の実証的研究が著しく深化しつつあるのは確かであるが、別々の古墳あるいは別々の地域から出土した埴輪の類似度を検討する場合、いまなお直感や主観を重視した比較検討が主流である。本講義では、主観的な分類基準を排し、可能なかぎり客観的な分類方法を紹介する。
(秋期集中)
 〔アマルナ時代史をめぐる考古学上の諸問題〕
 主に調査の現状、アテン神の祭祀施設、アマルナ王墓と被葬者を取り上げて考察する。
 アテン神の祭祀施設では、カルナックおよびアマルナのアテン神殿、特徴的な「三柱神」聖所、アマルナ大王宮ははたして王宮なのか、アマルナ王墓と被葬者では、新王国時代王墓建築史上におけるその位置づけ、予定された被葬者と実際の被葬者、どこに改葬されたのか、などを論じる予定である。