南山大学

 
指定
期間
4単位
単位
通年
担当者
鈴 木 孝 夫

 〔シェイクスピア研究:A Midsummer-Nightユs Dream〕
 『夏の夜の夢』は、古来、幻想的な美しさに満ちた喜劇と言われてきた。確かに、この作品は全編にわたって初夏の祭りや婚礼など祝祭の空気がみなぎっており、シェイクスピアの“magical language”… 暗示性豊かなイメージ語 … の妙味が遺憾なく発揮されている。しかし作品の奥行きは意外に深く、お伽話的な物語のヴェールを透して、現実と想像、文明と自然という対立的テーマの他に、家父長制など現代にかかわるテーマが見え隠れしている。本ゼミは、この作品を精読し、1)言葉(特に比喩表現)の暗示効果、2)舞台空間の持つ効果(感覚的インパクトや象徴的意味)について徹底した分析を行い、シェイクスピアの〈複眼の思想〉に迫る。
 授業は一場面(scene)程度の分量を一区切りとしてグループ発表の形で作品分析を行うが、あらかじめ受講者全員に所見や疑間を記した簡単な(1頁程度)のレポートを提出させ、討論に用いる。
 【テキスト】
 石井正之助編、A Midsummer-Nightユs Dream(大修館シェイクスピア双書)。