南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
山田 秀
他の科目との関連
履修対象学科
副題
講義内容  人間の尊厳の思想は、もはやかつてのように教会やアカデミックな講壇で説かれるだけではなく、国家を導く理念、そして国際社会を導く理念として揺るぎない地位を獲得し、人権宣言などに実定化されて具体的法効果を有するまでに至った。本講義では、とくに人間の尊厳の観念が古代から現代に至るまで各時代でどのように受けとめられていたかを思想史的に探り、また人間の尊厳の「概念」を明らかにするため、様々な法学的・哲学的・神学的根拠づけの諸理論を検討し、最後に、それが「人間の責任」という観念と表裏一体の関係にあることを明らかにする。
講義計画  (1) 古代ローマのdignitas観
 (2) 中世キリスト教のImago Deiならびにpersona観
 (3) 近世ルネッサンスのdignitas humanaについて
 (4) カントの「尊厳」概念について
 (5) 近代の懐疑的・批判的見解について
 (6) 儒教における聖賢の原像について
 (7) 王陽明における立志、知行合一、万物一体、致良知
 (8) 自然法思想と儒教
 (9) 第二次世界大戦後の再生と世紀末での変容について
評価方法  成績の評価に際しては、定期試験の結果を中心にする。なお毎回の講義の出席を重視する。
テキスト  レジュメを配布する。なお、一般的参考書としてホセ=ヨンパルト著『人間の尊厳と国家の権力』(成文堂)を勧める。その他、講義中に適宜参考文献を紹介する。
その他