南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3
担当者
江田 信豊
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 環境人間生物学
「地域社会が抱える環境問題の多角的解析」
講義内容  ゼミナール形式の小人数教育で専門領域について理解を深める。各学生が専門領域を深めながら、自分のプロジェクト(テーマ)とする問題を発見するのを手助けし、また問題解決のために必要な知識・理論・データ・手法についてはゼミナールの共通のプロジェクトとして設定し指導する。
講義計画 1.プロジェクト研究テーマの設定理由と内容
 環境生物学研究室の特色として、学生全員に野外実習や生物学的実験を体験させ、生物学と人間社会の関わりについて理解させる。 
愛知万博の掲げる「自然と人間の共生」については、シロアリに見られる共生関係の観察実験により共生の持つ意味を理解させる。また、ゴミ問題では実際に藤前干潟などに行き干潟の持つ重要性とゴミ処理の問題が直面する現状について考えさせる。その過程で実験・調査による基礎データの収集とそれに関連する文献の検索及び正確な読み方を習得させる。最終段階では現実に起こっている社会問題の解析へと発展させる。この時取り上げる社会問題やテーマの内容と地域は学生と相談の上決定する。1つの例をあげると大量の産業廃棄物不法投棄の問題を抱える香川県豊島(てしま)をその地域とした場合、たとえば、環境指標としての生物に興味のある学生は生物相の調査を行う。また、風評被害や意見の違いによる住民の心理学的問題に興味のある学生は、住民との対話や聞き取り調査を行う。さらに、豊島が受けた経済的打撃や今後投入される産業廃棄物処理費用に興味のある学生は経済的視点を持つ調査を行う。これらの調査結果を全学生に共有させた上でディスカッションを行わせ,豊島という地域社会が抱える問題を多方面から解析する。その様な地域問題(及びテーマ)はそのつどその年の学生と相談した上でその学年の学生に最も適したテーマと地域を考えていく。
 総合政策プロジェクト研究Iでは以上のような過程の中で学生間での情報・知識の共有と、それを基にした総合的解析の手法の習得を目指す。

2. プロジェクト研究の進め方
 年間で各学生にそれぞれテーマを決めさせ年間計画を立てる。そのテーマに沿って関係の論文や雑誌を正確に読み取らせ、文章から得た知識を正確に表現できる訓練を行う。また、教室全体でそのテーマに関係する実験を行い、生命活動の生物学的な意味を理解させる。その後、各学生にその成果や途中経過を発表させ教室に所属する学生に知識の共有性を持たせる。また、学生全員で野外実習に行きその地域の自然環境を通じて、文化や人間性がどのように構築されたのかを実際に触れるフィールドワークを行う。
評価方法
テキスト
その他