南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
小池 英光
他の科目との関連
履修対象学科
副題 哲学と倫理学の基礎問題
講義内容 現代、特に20世紀の最後の20年から21世紀の現在まで私たちは目も眩むような急速な科学技術の発展のただなかに置かれている。コンピュータによる情報化社会、経済・産業のグローバリゼーション化、地球の温暖化、DNA操作による生命体の改変、臓器移植と生死の技術的操作、国境を越えたテロリズムと国家・民族間の果てしない憎悪と殺戮の繰返しなど、未来の展望すら描けない時代といえよう。これらの問題に取り組むためにも私たちは人間のあり方についての基礎的な視点を確立する必要があろう。こうした立場から、本講義では哲学と倫理学の基礎をなす諸問題を考察する。
講義計画 比較的具体的な事例を取り上げるが、個別的な事例の解決を求めるのではなく、個別的な問題の基礎にある普遍的な問題へと視点を移して検討する。これによって多様な問題に対応できる視点がえられることを期待する。毎回一つの主題を設定して、集中的に検討する。具体的には、次のような主題を取り上げる。
1.人を助けるために嘘をつくことは許されるか。
2.10人の命を救うために一人の人を殺すことは許されるか。
3.エゴイズムに基づく行為はすべて道徳に反するか。
4.正義の原理は純粋な形式で決まるのか、共同の利益で決まるのか。
5.貧しい人を助けるのは豊かな人の義務であるのか。
6.現在の人間には未来の人間に対する義務があるのか。

 授業の進め方は、次の通りである。あらかじめ、レポーター(複数)を指名しておき、レポーターはテキストの要約と自分の意見をまとめたレポート(報告書)を作成し、全員に配布する。その報告に基づいて討論を行なう。参加者は原則として、毎回、発言することが求められる。
評価方法 出席を重視する。レポーターについては、レポートの内容や口頭での報告を、それ以外の出席者は討論への参加の有無を平常点として大きく評価の対象とする。これらに最終試験の結果を合わせて総合的に判断し最終的な評価を行なう。
テキスト 最初の授業の時間に、各時間のテーマを示すと共に必要な資料を作成し、テキストとして配布する。

【そ の 他】なし
その他