00533 政治・経済と人間の尊厳
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選必 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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櫻井 健吾 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | 産業社会の倫理 |
講義内容 | 本講義では「人間の尊厳」を政治・経済の視点から考察する。そのために、人間の営みと深く関わっている政治や経済のあり方、また政治学や経済学などの社会科学的観点から見られる人間の問題に注目し、現代社会に生起している政治的、経済的現象のなかで「人間の尊厳」がどのように扱われているのかを見極め、これを維持・回復していくために、どのような方策と努力が必要かを検討する。 |
講義計画 | (1)19世紀の社会問題、ケテラー、補完性原理 (2)今日の産業社会は、人間に対してどのような倫理を要請しているのか。産業社会の成立期の19世紀にあって、この問題に正面から取り組んだ思想家として、ケテラー(1811−1877年)を取り上げる。ケテラーは、自由主義と社会主義との対決のなか、独自の理念を発展させ、その政治・社会・経済理念は、今日の世界に大きな影響を与えている。ケテラーという人物の思想と活動を通して、上記の問題を考える糸口としたい。 (3)次のテーマについて講義する。 1.産業社会の倫理:ケテラーと19世紀の「社会問題」 2.産業社会とは何か 3.ケテラー(1811−1877年)の生涯と活動 4.ケテラーの自由主義批判 5.ケテラーの社会主義批判 6.ケテラーの社会・経済思想:慈善事業・社会改革・社会政策 7.個人主義か、それとも全体主義か:「補完性の原理」 8.功利主義か、それとも階級革命か:「連帯の原理」 9.エゴイズムと公共の福祉:「共同善の理念」 10.ケテラーの自由論 |
評価方法 | 1)出席 2)レポート |
テキスト | 「補完性原理の萌芽──ケテラーとテュージングの論争──」水波明・稲垣良典・阿南成一編『自然法と宗教 I』創文社、1998年所収。その他、プリントを配布。 |
その他 |