南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
籾山 洋介
他の科目との関連
履修対象学科
副題 ことばについての考え方
講義内容  20世紀は「言語の世紀」であると言われてきた。20世紀になって、哲学の関心の対象も意識から言語へと大きく変化してきた。この変化には、現代言語学・論理学の革命が大きく影響している。本講義では、現代思想の核をなす言語学や言語哲学や記号論の考え方を学ぶとともに、われわれに身近な日本語や英語から例を引きながら、ことばについて考えていくことを通じてことばの本質に迫る。
講義計画 1.ことばについての考え方
 言語学におけることばについての基本的な考え方を、日常見られることばについての見方と比較して検討する。
2.人間のことばの一般的特徴
 我々人間が使うことばの一般的な特徴を、他の動物のコミュニケーションの手段と比較して考察する。
3.ことばの意味
 我々がことばを使う究極の目的は「意味の伝達」であるということを踏まえて、ことばの意味についての基本的な考え方・分析方法を検討する。
4.ことばと社会
 一言語(特に日本語)内の多様性に注目し、ことばと社会的要因(年齢・性別・職業など)の関係、またことばの地域差について具体的に見ていく。その際、受講者の使用する若者ことばや各地域の方言なども検討する。
5.世界の言語と日本語
 世界の諸言語に目を向け、歴史的な観点(歴史比較言語学)、語順や文法関係の表し方の観点(言語類型論)から、どのように分類できるか、さらに、日本語は世界の諸言語の中でどのように位置付けられるかについて考察する。

 受講にあたって、専門的な知識は一切必要としないが、当然のことながら、日本語であれ、外国語であれ、ことばについて何らかの興味を持ち、ことばについて考えることが楽しいと思える人であることが望まれる。また、授業は講義中心に進めていくが、受講者に発言を求めることもある。積極的に自分の考えを述べることを期待する。
評価方法 筆記試験および平常点
テキスト 『よくわかる言語学入門』(町田健・籾山洋介著、バベル・プレス)
その他