南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
山田 秀
他の科目との関連
履修対象学科
副題 文化現象としての法
講義内容  法と呼ばれるものが人間の生存のあり方とどのように関連して働いているのかという基本的問題を、様々な観点から考察する。具体的には、文化現象としての法、社会統合に占める法の位置、言語と法、法の存在様式、生成発展過程から眺められた法を論じ、最後に、法、政治、教育、倫理といった一見独立したものが根底において人間本性の法則としての自然法に支担されている現実に注目し、統合的人間論からの法学入門としたい。
講義計画 以下の順序に講義を進める予定。
I.文化における法の位置
 1.「文化」とは何か
 2.文化の一部としての法:法領域と他の文化領域との関連
II.社会統合における法の位置
 1.ヒトから人間へ:直立二足歩行と言語並びに抽象能力
 2.社会統合(1):社会化と「良心」
 3.社会統合(2):社会化と言語
 4.社会統合(3):社会化と社会統制
 5.社会統合(4):社会統制と言語
 6.社会統合(5):社会契約論
III.法発展史
 1.万民法(ius gentium)の発展
 2.国際法の誕生
 3.近代法の登場及び立憲主義思想
 4.近代法の変容:(1)近代法原則の修正、(2)自由国家から社会国家へ、(3)社会法の成立
 5.現代法の課題
IV.法、政治、教育、倫理:その担い手と存在意識
評価方法 定期試験により評価する。
テキスト 指定教科書:碧海純一『法と社会』(中公新書)。講義中に適宜プリントを配布する。主な参考文献は以下の通り。
I.クライド・クラックホーン『人間のための鏡』(サイマル出版会)
  祖父江孝男『文化人類学入門』(中公新書)
II.江原昭善『人間はなぜ人間か』(雄山閣出版)
  河合雅雄『サルからヒトへの物語』(小学館ライブラリー)
  碧海純一『新版法哲学概論 全訂第二版』(弘文堂)
  安田ほか編『基礎社会学 第I巻社会的行為』(東洋経済新報社)
  ソポクレス『アンティゴネー』(岩波文庫)
III.田畑茂二郎『国際法』(岩波全書)
  ヨハネス・メスナー『自然法』(創文社)

【そ の 他】受講者数が100名以下の場合は、原則として毎回小テスト(クイズ形式を含む)を実施したい。
その他