南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
江本 純
他の科目との関連
履修対象学科
副題
講義内容  生物の歴史と言いますと、皆さんの多くが「恐竜」を連想することと思います。確かに恐竜は地上で生活し、もっとも大きく、しかも「絶滅」したということから、生物の歴史のなかで大きなできごととして強く印象に残っています。しかし生命が誕生してから 40 億年の歴史には、恐竜の絶滅以外にも、もっとドラマチックな出来事が繰り返されています。
 たとえば、皆さんはこの地球に誕生した最初の生命体はどんなものだったか想像したことがありますか。単純な細胞様のものだったに違いありませんが、中身はどんなになっていたのでしょう。現在の生物と同じように遺伝子を持っていたのでしょうか。最初の生命体は誕生や死という運命を持っていたのでしょうか。オスやメスはこのような生物にもあったのでしょうか。
 生命は海で誕生したことは多くの人がご存知ですが、陸上の動植物はいったいどこから来たのでしょうか。恐竜はなぜ滅びたのでしょうか。そして人間はどのようにして誕生したのでしょうか。
 現代生物学はこのような問題を、現在の生物や細胞を研究することで解明していこうという学問です。これらの研究は古くは化石を頼りに行われてきましたが、現代ではむしろ私たちの体そのものや生きている細胞を研究することから、その答えを探るという方向に向かいつつあります。この授業では、生命の誕生、細胞の進化、オスメスの誕生、生物の多様性の形成、生物の死、人類の誕生といった、生物の歴史の大きな出来事にスポットを当てて、わかりやすく解説していくものです。
講義計画 I.はじめに
 地球46億年のあらすじ
II.生命誕生の舞台:化学進化
 生命はどこで誕生したのか:生命をつくった物質
 原始の海で生物が誕生した
III.細胞の時代: 現在の細胞に潜む生命 40 億年の歴史
 生物を構成する細胞は 40 億年生きつづけている
 細胞の合体:呼吸系にみる生命の歴史
 最初の生命体を推測する:その証拠は私たちの体にある
IV.生物多様性の時代
 細胞は死なない、細胞は自殺する
 多細胞生物の運命:細胞死と寿命
 個体の死によって生まれる多様性:オスとメスの誕生
V.無脊椎動物とはどんなものか
 生物のカンブリア大爆発
 地球に繁栄する無脊椎動物とその生活
VI.脊椎動物の誕生と進化、そして絶滅
 体の中に海をつくった生物たち
 緑の地球の誕生と上陸した動物たち
VII.人類の誕生
 ヒトとはどんな動物か
 何がヒトをつくったのか
評価方法 筆記試験
テキスト 授業中に参考書を紹介します
その他