南山大学

 
指定
選必
期間
単位
年次
1・2
担当者
小池 英光
他の科目との関連
他学科履修
副題 知識と行為の基本問題
講義内容  日々の暮しはいやでもやって来るが、大抵は何の変哲もなくまた去って行くように見える。世界は在るように在り、そこに何の不思議もないように見える。しかし、ひとたび視点を変えれば、世界のありとあらゆるものが不思議に満ちてくる。ものものを結んでいた絆は断ち切られ、必然性も消滅する。もはや、自明なものはなく、あらゆる「もの」と「こと」が疑われる。外の世界は存在するのか、それは長く続く夢ではないのか。心と身体は別のものか。時間は実在するか、私たちは自由(意志)を持っているか。目的は手段を正当化するか、万人を拘束する道徳規則は在るか、などなどである。これらが哲学(倫理学)の基本問題の例である。これらの問題のうちからいくつかのものを選んで、西欧哲学史上の思想の巨人の紹介を加えつつ論述する。
講義計画  ナーゲルの入門書を用いて、その項目に添って哲学の諸問題の概説を行なう。それと関連して、哲学史の基本知識を習得することを目指す。
1.序論:哲学で何を学ぶか。
2.「知る」とはどういう事か。
3.外的世界は知られるか。
4.他人に「こころ」が在るとどうして分かるのか。
5.私は「こころ」なのか、「からだ」なのか。
6.言葉と世界はどう関係するのか。
7.私は自由に行動できるだろうか。
8.善いことと悪いことの区別はどうつけるか。
9.正義について
10.死について
11.人生の意味
12.まとめの考察
評価方法  出席を重視する。折りに触れて、理解度を試すための小テストを行なう。これらと期末試験とによって最終評価を行なう。
テキスト Th. ナーゲル,『哲学ってどんなこと』昭和堂
その他