南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
小谷 凱宣
他の科目との関連
他学科履修
副題 アイヌ文化誌入門
講義内容  日本列島北辺に居住する先住民のアイヌ民族は、いつごろから現在地とその周辺に居住するようになったか。日本人とその祖先とはどのように違うのか。アイヌ民族はいま、北海道を中心に居住しているが、樺太(サハリン)や千島列島(クリル諸島)にはどのくらいのアイヌ民族が住んでいるのか。各地の博物館資料のなかに酒造り(醸造)と酒使用に関係のある祭祀用具類が多いし、酒造りの原料は農耕作物であるのに、アイヌ民族はなぜ狩猟民と呼ばれてきたのだろうか。また、近年では、海洋交易民と呼ばれることが多いが、その背景は何か。
 これらの考古学、自然人類学、民族学、近世史学などの諸分野に深くかかわる諸問題を紹介しながら、特定民族集団を対象とする人類文化史研究という視点から、アイヌ民族とその文化の研究の現段階を紹介する。
講義計画 1)アイヌ民族とその文化の地理的分布について
2)内外研究者によるアイヌ文化研究史(抄);日本の人類学研究のはじまりとアイヌ文化研究、及びア  
  イヌ民族文化の記録を残した外国人研究者
3)アイヌ民族の連続性;自然人類学的研究から見た先史時代文化の担い手、および考古学研究から見た
  アイヌ文化の成立と発展
4)文献記録と図像から見たアイヌ民族とアイヌ文化;幕末までのアイヌ民族の記録、およびアイヌ絵の 
  紹介
5)近代のアイヌ政策史(抄)
6)博物館のアイヌ資料研究;海外の博物館所蔵アイヌ資料調査の意義
7)日本社会におけるアイヌ文化研究の重要性について
評価方法 学期末試験結果と課題参考文献にもとづくリポート内容とを総合して評価する。
テキスト 参考文献リストは、学期はじめに手渡す予定である。
その他