南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
4
担当者
青柳 宏
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 普遍文法と個別言語
講義内容  国籍、人種、頭の善し悪しなどに関係なくヒトはだれでも少なくともひとつのことばを母国語として身に付けることができ、しかもそれは比較的短期間の内に(通例、4、5歳までに)行われる。これらの事実を合理的に説明するためにはヒトが「ことばの素」を持って生まれてくる(言い換えれば、ことばは遺伝子的にプログラミングされている)と考えざるをえない。この「ことばの素=生得的知識」はヒトという生物学的種に固有のもので人種や国籍に左右されないため「普遍文法」と呼ばれる。
 この考え方に立つと日本語や英語や韓国語といった個々のことばは単に「普遍文法」の「表れ」にすぎない。ゆえにどの言語もヒトのことばであれば満たされなければならない条件を満たしているはずだし、また潜在的には誰もがどの言語の母国語話者にでもなれるという事実から見て個別言語間の差異がそれほど大きいはずはない。
 当ゼミでは表面的には随分違って見える日本語や英語や韓国語といった個別言語の分析を通じてどうすれば「普遍文法」の姿に迫れるのかを考えてゆく。
講義計画  3年次の演習I(齋藤先生担当)を受けて、さらに文献を精読し、議論することにより生成文法における比較統合論の考え方に対する理解を深めながら、同時に日本語や英語を始めとする様々な言語のデータを具体的にどう分析するかを学ぶ。また、受講者各自が適宜発表を行い、ハンドアウト(発表資料)の作成やプレゼンテーションの技術を磨く。さらに、演習のクライマックスである卒業論文の執筆を通じて、4年間の学習の総仕上げとする。
 卒業論文執筆のための研究プロジェクトは概ね以下の計画で進めて行く(最終的には、学科が決定した日程に従うこと)。
<演習III(春学期)>
4〜5月      トピック決定(担当者との個別面談を経て、題目提出)
6〜7月      基礎リサーチ(先行研究のクリティカル・レビュー)
夏休み       中間発表(ゼミ合宿で発表会を行う)
<演習IV(秋学期)>
9〜10月      発展と応用(担当者との個別指導による)
11月下旬      ラフドラフト(下書き)提出
冬休み前後     直しと仕上げ(担当者との個別指導による)
1月中旬      最終稿提出
1月下旬      口答試問
評価方法 各種課題、発表、リサーチペーパー、ゼミへの貢献度を総合的に評価する。
テキスト Tsujimura, N. 1996. An Introduction to Japanese Linguistics. Blackwell.
その他各種プリント。

【そ の 他】 受講生は人類文化学科開講科目のみならず、日本文化学科、外国語学部英米学科開講の言語学関係科目を並行履修することが望ましい。
 3月下旬〜4月上旬にゼミ・オリエンテーションを行うので、学科の掲示に注意すること。
その他