40091 歴史研究の基礎 (アメリカ)
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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1・2 |
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川島 正樹 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 植民地時代から現代にいたるアメリカ合衆国史概説 |
講義内容 | この授業では、グローバル化が急速に進む世界の現状を射程に据えながら、近代世界の歩みを総合的に概観し、歴史的アプローチによって今日の人類社会にとっての本質的問題の理解を深め、歴史主体としての自己認識の確立を目指す。具体的には、近代世界システム論を一つの有効な理論的支柱として参照しつつ、周縁地域として出発しながら比較的短期間で中心地域の一翼をになうまでに発展し、やがて世界的ヘゲモニーを確立するに至るアメリカ合衆国の歴史に特に注目しながら、多様性に基づく平等の在り方の模索など、21世紀の人類社会が共通に取り組むべき普遍的な諸問題を歴史的に考察することを通じて、問題解決に向けた積極的関与の態度を養う。 |
講義計画 | 現在日本ともっとも深い関係にある国の一つである、アメリカ合衆国の歴史を、「異文化遭遇」「多文化主義」「自由と不自由の併存」「人種」「ジェンダー」をキーワードに、植民地時代から独立革命期を経て南北戦争後までを概観することを目指します。この授業では担当教員からの一方通行的な授業になることを極力回避するよう努めます。担当者は授業中、特に各章のはじめにいくつかの問いかけを発し、受講生は各章の終わりの時点でそれに答えなければなりません。毎回の授業で質問や意見の発表を積極的に行うことも奨励されます。 具体的には次の各項目をほぼ1回ずつの授業を当てて学習します。 (1)はじめに──先住アメリカ人の世界 (2)諸民族/諸人種の出会い──英領北米植民地の発展と奴隷制 (3)独立への道程──なぜ世界最強の英国と命を賭けて人びとは戦ったのか? (4)本当に「革命」だったのか?──独立後も奴隷制が残った理由 (5)工業化と綿花王国の関係──独立後の経済発展を支えた奴隷制 (6)南北戦争への道程──最も悲惨な「内戦」の原因と結果 (7)中間試験 (8)大陸内膨張から海外へ──帝国主義時代の内政と外交 (9)「新移民」の流入と革新主義──前向きと後ろ向きの「諸改革」と第一次大戦 (10)両大戦のはざま──大衆消費社会、大恐慌、ニューディール (11)第二次世界大戦はアメリカも変えた──「孤立主義」からグローバリズムへ (12)冷戦期のアメリカの内政と外交──1960年代とは何だったのだろう? (13)変わりゆくアメリカ──21世紀も「アメリカの世紀」か? (14)期末試験 |
評価方法 | 中間テストと期末テスト(ともに論述問題を含む)に、授業中の意見発表を加点します。 |
テキスト | 富田虎男、他編『アメリカ史を知るための60章』(2000年、明石書店)。 |
その他 |