41933 演習II
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鈴木 孝夫 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 不可 |
副題 | シェイクスピア研究II:──The Tempest の謎に迫る |
講義内容 | 演習Iに引き続き、各学問分野の基礎的概念、方法論を学ぶとともに、それぞれの研究領域に関する知識と研究方法、研究動向に関する知見をさらに深める。平行して、受講生は個々の関心に従い研究テーマを設定し、必要な資料・文献を集め、批判的に検討し、一つの卒業論文にまとめる。 |
講義計画 | 『嵐』は、シェイクスピア晩年の諦観が幻想的なロマンスの形に結晶し、モーツアルトの『魔笛』にも似た清澄さを湛えた作品と言える。しかし1930年代に入ってから、この「諦観」をシェイクスピアの人間研究における挫折とする見方が現れ、作品に懐疑的思想が内在することが指摘されるようになった。さらに1950年代からは夥しい解釈が現れ、シェイクスピア劇で最も解釈の分かれた問題作となっている。 この作品には、確かに、シェイクスピア劇の全作品の中枢を貫く〈嵐〉と〈音楽〉という象徴的イメージが、作品全体の概念的メッセージである〈美と調和の世界〉を完璧なまでに表現している。しかし、作品の末梢的部分として無視されていたディテールの数々に一たび着目すると、一連の隠された意味が次々と明らかになり、作品全体の持つ意味は大きな変貌をとげる。本講は、テキストの正確な読みに基づいて、シェイクスピア劇が持つ複雑にして豊かな可能性を見ようとするもの。 授業は一場面(scene)程度の分量を一区切りとして2名がグループ発表の形で作品分析を行うが、あらかじめ所見や疑問を記した簡単な(1頁程度の)レポートを受講者全員に提出させ討論に用いる。構文・語法もしくは内容上問題のある箇所には適宜訳や解説をほどこす。 |
評価方法 | 毎回(場面毎)のレポートを中心とするが、グループ発表と討論における発言内容と積極性を加味して評価する。 |
テキスト | Stephen Orgel, ed., TheTempest, The Oxford Shakespeare (Oxford : OUP, 1987)と藤田実編注『テンペスト』大修館シェイクスピア双書(1990)を併用。 |
その他 |