南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
4
担当者
武田 悠一
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 Hitchcock のアメリカ
講義内容  演習Iに引き続き、各学問分野の基礎的概念、方法論を学ぶとともに、それぞれの研究領域に関する知識と研究方法、研究動向に関する知見をさらに深める。平行して、受講生は個々の関心に従い研究テーマを設定し、必要な資料・文献を集め、批判的に検討し、一つの卒業論文にまとめる。
講義計画  ハリウッドを代表するアルフレッド・ヒッチコックの作品を取り上げて、映画の「読み方」を学びます。ここで「読み方」というのは、ただ単にストーリーを追うだけでなく、一つ一つのシークエンス、ショット、場面転換、あるいはカメラワークが何を意味し、何を伝えようとしているかを分析するための方法論のことです。こうした方法論にもとづいてヒッチコックの代表的な作品を具体的に分析しながら、また、たとえば精神分析やフェミニズム・ジェンダー批評の観点からヒッチコックの作品がどう読まれてきたかを検証しながら、映画というメディアの中で物語と映像がどのように関係づけられ、どのような意味や効果を生み出しているのか、といった問題について考えます。
 さらに、Hitchcock's America をテキストとして読みながら、ヒッチコックとアメリカの関係を探ります。Hitchcock's America は、9編から構成される論文集ですが、1940年代にアメリカに渡って以来、ハリウッドというアメリカの文化装置の中心で仕事をし続けたヒッチコックが、まさにその中心から〈アメリカ〉というイデオロギーをいかに批判的に分析していたかを明らかにしています。ヒッチコック作品に触れると同時に、他の映画や文学作品とも関連づけて、アメリカの文化を多角的に分析・解釈していく予定です。
評価方法 卒業論文と、発表の内容、討論への参加度などによって総合的に評価します。
テキスト Jonathan Freedman and Richard Millington eds., Hitchcock's America (Oxford UP, 1999)
その他