他の科目との関連 |
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他学科履修 |
可 |
副題 |
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講義内容 |
スペイン黄金時代を主に取り上げたい。すなわち、カトリック両王時代からフェリーペ四世の時代まで200年弱である。この時代はスペインが相対的に孤立した中世とは逆に、ヨーロッパの表舞台に登場し、ヨーロッパ政治を指導した時代である。日本ではともすれば、この時代にヨーロッパ政治はイギリスやフランスを中心に語られがちであるが、本講義ではスペインを主役に講義したい。外交分野と同様に興味深く、かつ重要な社会・経済構造についても言及したい。黄金世紀のスペイン人の精神構造におけるもっとも重要な二つの要因たる、イダルゴ精神と純血意識を説明し、当時のスペイン人像に迫り、そこから作り出される黄金世紀の社会を描き出したい。また過剰なまでの対外政策を交えた経済構造を分析し、スペイン衰退の要因を明らかにしたい。具体的には、毛織物工業と農業に問題点を分析し、スペイン経済構造の脆弱さを指摘したい。 |
講義計画 |
単なるスペイン一国史の概説ではなく、イベリア半島諸地域の歴史的文化的多様性に留意しながら、ヨーロッパ史、世界史のなかでのスペイン史を考察していく。 半期という大変限られた時間内ではあるが、以下の項目に沿って講義を進めていく計画である。スペインの地理、ローマ時代を中心とした古代史、西ゴート時代、イスラーム・スペイン、カスティーリャ王国、カタルーニャ・アラゴン連合王国、カトリック両王の時代、スペイン帝国の隆盛、18世紀スペイン、自由主義国家体制とその限界、王制復古体制、第2共和制、スペイン内戦、フランコ体制、民主化。 受講者は、社会科学全般に対する問題関心と想像力が旺盛であることが望まれる。 |
評価方法 |
平常点と期末試験の得点を総合して評価する。 |
テキスト |
立石博高編『スペイン・ポルトガルの歴史』山川出版社、2000年。 |
その他 |
参考書(1)立石他編『スペインの歴史』昭和堂、1998年。(2)ヴィラール(藤田訳)『スペイン史』白水社(文庫クセジュ)、1992年。(3)ヴィラール(立石・中塚訳)『スペイン内戦』白水社(文庫クセジュ)、1993年。(4)原誠他編『スペイン・ハンドブック』三省堂、1982年。 |