他の科目との関連 |
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他学科履修 |
可 |
副題 |
ハーバーマスの政治思想 |
講義内容 |
戦後ドイツ思想をリードしてきたのは、フランクフルト学派とよばれる一群の社会哲学者たちであった。この講義では、その「第二世代」を代表するユルゲン・ハーバマス(J殲gen Habermas, 1929-)の政治思想について、彼の「公共性」概念を中心に検討する。ハーバーマスは『公共性の構造転換』において、市民たちによる開かれた政治的討論の場を「公共性 ⑼fentlichkeit」と呼び、それが18世紀にさまざまな空間やメディアにおいて成立するものの、20世紀には力を失ってしまったことを論じている。今日において、民主主義の基礎である「公共性」を再興することがいかにして可能か、歴史的・理論的に考察する。 |
講義計画 |
講義の前半では、フランクフルト学派第一世代に属する、アドルノ、ホルクハイマー、フロム、マルクーゼの思想を紹介し、彼らがおこなったナチズムと戦後大衆民主主義への批判について検討する。講義の中盤では、ハーバマスによる政治批判の方法が第一世代とは異なることを紹介するとともに、「公共性」概念の現代的可能性について検討する。講義の後半では、ハーバーマスがおこなった数々の論争史をひもとき、現代ドイツの思想状況について考察する。 |
評価方法 |
学期末に一回レポートを提出してもらうが、授業への参加姿勢なども加味して、総合的に評価する。 |
テキスト |
テキストはとくに用いないが、授業で中心的にとりあげる『公共性の構造転換』(ハーバーマス著、細谷貞雄・山田正行訳、未來社)を読むことを、強く勧める。そのほかに、第一世代(アドルノ、ホルクハイマー、フロム、マルクーゼ)の著作やハーバーマスの論争相手(ポパー、ルーマン、フーコー)の著作、ハーバーマスが依拠する同時代の思想家(アーペル、オッフェ、ホネット)の著作などを授業中に紹介する。 |
その他 |
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