南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
竹内 規彦
他の科目との関連 経営労務論、グローバル・ビジネス論
他学科履修
副題 A(春学期):グローバル企業の人的資源管理
B(秋学期):日本企業における戦略的国際人的資源管理
講義内容 A(春学期):企業の経営活動が国境を越え、経営のグローバル化が進展すると、国内企業とは異なる、グローバル企業特有の人事管理上の課題が生起してくる。例えば、本国親企業の人的資源管理施策の現地での適用(application)と適応(adaptation)の問題、本国派遣管理者の現地法人組織への配置政策と親—子会社間の経営コントロールの問題、現地法人組織内での本国管理者と現地人従業員とのコミュニケーション・ギャップの問題、派遣された駐在員やその家族の異文化適応の問題などは、今日多くのグローバル企業が直面する重要な人的資源問題である。本講義では、グローバルな経営活動を展開する企業が、どのように国内外の人的資源を管理・育成しているかについて概説し、上述のような課題を考えるために必要な国際人事管理論の基礎的な概念や枠組みの習熟を目指す。
B(秋学期):最近の人的資源管理論では、企業がいかに市場での競争戦略と適合した独自のHRMシステムを構築可能かに関する論議が注目を浴びている。本講義では、日本のグローバル企業における戦略と人事との適合関係を探る理論的なフレームワークを提示するとともに、近年「世界の市場」として注目が高まりつつある中国に進出した日系企業が、いかに各社の中国戦略と適合するHRMシステムを構築しているかについて、最新の研究成果と事例を紹介し、この点についての理解を深める。また、企業のヒトの知識に関する技術移転や現地化等、従来からの国際人事の重要課題についても講義を行う。
講義計画 A(春学期):
 第1回 オリエンテーション
 第2回 国際人的資源管理論の歴史的展開
 第3回 グローバル社員の採用・選抜(1)
 第4回 グローバル社員の採用・選抜(2)
 第5回 グローバル企業における人事評価制度(1)
 第6回 グローバル企業における人事評価制度(2)
 第7回 グローバル企業における人材育成(1)
 第8回 グローバル企業における人材育成(2)
 第9回 グローバル企業における報酬制度(1)
 第10回 グローバル企業における報酬制度(2)
 第11回 国際労使関係(1)
 第12回 国際労使関係(2)
B(秋学期):
 第1回 オリエンテーション
 第2回 グローバル企業における人的資源管理と戦略的人的資源(SHRM)
 第3回 在中国日系企業の戦略と人事(1):戦略概念に焦点を当て
 第4回 在中国日系企業の戦略と人事(2):親企業の戦略−HRM適合
 第5回 在中国日系企業の戦略と人事(3):日系・米系・中国国内企業のHRMの特徴
 第6回 在中国日系企業の戦略と人事(4):ケース(日系企業の戦略)
 第7回 在中国日系企業の戦略と人事(5):ケース(日系企業の戦略−HRM適合)
 第8回 HRMシステムの国際転移と現地化(1):技術転移の方法
 第9回 HRMシステムの国際転移と現地化(2):日本型HRMの移転と課題(1)
 第10回 HRMシステムの国際転移と現地化(3):日本型HRMの移転と課題(2)
 第11回 HRMシステムの国際転移と現地化(4):現地化の課題(1)
 第12回 HRMシステムの国際転移と現地化(5):現地化の課題(2)
評価方法 授業への出席状況及び学期末の筆記試験などにより総合評価する。
テキスト 特に指定はしないが、関連する図書・文献は授業中に適宜紹介する。

【そ の 他】B(秋学期):国際人事管理論Aを履修していることが望ましいが、必ずしも必須条件ではありません。講義内容や講義計画を参考にして、関心があれば履修可能です。
その他