南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3
担当者
榊原 秀訓
他の科目との関連 行政法総論、行政法各論、地方自治法
他学科履修 不可
副題 行政事件訴訟法研究
講義内容  行政救済法として、行政事件訴訟法を扱う。行政事件訴訟法については、民事訴訟や外国の類似の制度と比較して、国民の権利利益の救済の点で、また、行政統制の点で、様々な限界が指摘されてきている。例えば、ここ数年訴訟件数が増加しているものの、比較法的には圧倒的に件数が少なく、また、違法性判断以前に、原告適格や対象性等が否定され、却下(門前払い)されることが少なくない。さらに、違法性判断が行われる場合、近年多少傾向に変化があるように思われるが、なかなか行政側の違法性が認められずにきた。
 そこで、まず、行政事件訴訟法の現状にかかわる学説・判例の状況を把握したい。次に、こういった状況の改革を目指して、現在、行政事件訴訟制度の改革が進行中であり、私自身も、イギリス行政訴訟を研究テーマの一つとしており、イギリス行政訴訟制度を紹介するという形で、制度改革の議論に多少かかわってきており、こういった現在進行形の改革論議についても検討を加えたい。
 また、この改革に行政不服審査制度のあり方も連動しており、行政事件訴訟法にかかわって、行政不服審査制度の現状や改革提案にも目を向けることにしたい。
 履修者には、事前にテーマを割り当て、報告を行ってもらう。参加人数にもよるが、人数が多数であれば、幾つかの班をつくり、班ごとに報告を担当することにしたい。報告担当以外の他の参加者には活発な討論を期待している。
講義計画  前半は、テキストを利用して、制度の概要、判例・学説の状況を把握したい。後半は、前半の作業を前提に、進行中の行政事件訴訟制度改革について概観するとともに、行政不服審査制度についての現状や改革の議論をみていきたい。
 可能であれば、合宿も行いたい。
評価方法 日常の取り組み(出席、報告、議論等)で評価する。
テキスト  芝池義一『行政救済法講義(第二版補訂版)』(有斐閣、2003年)。行政救済法一般の本なので、ここでは扱わない国家賠償法等も含んだものであるが、その部分は行政法の講義に活用されたい。その他、行政事件訴訟制度の改革に関する雑誌論文等を利用する予定である。

【そ の 他】積極的・意欲的に取り組んでくれることを期待している。
その他