南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
4
担当者
榊原 秀訓
他の科目との関連 行政法総論、行政法各論、地方自治法
他学科履修 不可
副題 住民訴訟研究
講義内容  住民訴訟について検討を行う。住民訴訟制度は、地方自治法によって、自治体住民が、自治体職員による公金の違法支出等を争うために特別に認められた制度である。客観訴訟の一種として、法律によって、自分自身の権利利益に対する侵害が存在しない場合に、訴訟提起を認められたものであり、主観訴訟である取消訴訟の利用がかなり限られている中で、自治体行政の統制のために重視されている。また、現在進行中の行政事件訴訟制度の改革の中では、これを意識しながら、国レベルの国民訴訟制度創設を提案する者も存在する。
 住民訴訟の利用のためには、訴訟に先立って、住民監査請求を行う必要があるが(前置主義)、従来、監査委員の選任が適切ではなかったことなどから、住民監査請求は機能せず、監査委員の選任の改革が進むとともに、制度的にも、外部監査制度が導入されてきた。また、住民監査請求を行おうとする場合、タイム・リミットが設定されるものの、それを徒過しても正当な理由が存在する場合には請求を認めるため、正当な理由の有無が争われてきた。
 現在、弁護士等を中心とする運動団体である市民オンブズマン等によって住民監査請求・住民訴訟が活発に用いられており、近年急速に多数の判例が蓄積されてきている。
 そこで、このように重要な制度であり、また、現在活発に利用されている住民訴訟制度について、制度の概要、判例・学説の状況を検討したい。
 履修者には、事前にテーマを割り当て、報告を行ってもらう。参加人数にもよるが、人数が多数であれば、幾つかの班をつくり、班ごとに報告を担当することにしたい。報告担当以外の他の参加者には活発な討論を期待している。
講義計画 テキストに沿った形で、順次検討を行っていくことにしたい。
可能であれば、合宿も行いたい。
評価方法 日常の取り組み(出席、報告、議論等)で評価する。
テキスト 秋田仁志=井上元編『住民訴訟の上手な対処法(改訂増補版)』(民事法研究会、2003年)

【そ の 他】積極的・意欲的に取り組んでくれることを期待している。
その他