南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
榎本 鐘司
講義題目
開講キャンパス
講義内容  日本の伝統的な芸能文化や武道において、身体の「技法」は、「心法」とは不可分に捉えられている。つまり、「身体技法」とは、「身体技術」というよりいっそう、「心」のコントロールや表現との関係を意識しての用法である。したがって、近代の身体運動技術論では除外されてきた「呼吸法」や「静坐法」、「発声法」(掛け声)などの身体技法は、本科目でとくに重視される内容である。本科目では、まず、東洋的な身体論を概観する。次に、「身体技法」を、競技(勝負)系身体技法、表現系身体技法、瞑想系身体技法と分類して概説する。事例としては、まず武道の身体技法を取り上げ、その身体技法の意味論や歴史的変化について考察し、それから遡及される日本の伝統芸能の身体技法や、道教の呼吸法や導引法などについても理解を深めることとする。
講義計画 1、学習指導要領における「体ほぐし」の導入について
2、「からだ」の自分史について
3、身体技術(セントラルな身体)と身体技法(マージナルな身体)
4、身体技法の分類(研究方法への導入)
5、日本的といわれる身体技法に関しての事例研究
6、アジア的といわれる身体技法について
7、身体技法に関する文献講読
8、身体技法実習
9、課題演習
評価方法 課題演習と並行して当該課題に関するレポートを作成すること。このレポートによって評価する。
テキスト 『ファシリテーター・トレーニング』津村・石田編、ナカニシ出版
『からだを生きる』久保 健他、創文企画
『身体感覚を取り戻す』斎藤 孝、NHKブックス
その他 とりあえずテキストとしては上記の3冊をあげておくが、それは一般的で入手し易いからである。参考書として以下の文献については、ここに掲載しておかなければならないであろう。
『身体』湯浅泰雄  『感性の覚醒』中村雄二郎  『精神としての身体』市川 浩
『しぐさの日本文化』多田道太郎   叢書『身体と文化』野村雅一他   『身体の構築学』福島真人他
『気の構造』赤塚行雄   『気 流れる身体』石田秀実  『学びの身体技法』佐藤 学