南山大学

 
指定
期間
夏期後半
単位
年次
1・2
担当者
坪 井 由 実
講義題目 小説から映画へ
開講キャンパス
講義内容 現代アメリカにおける学校・家族・共同体の特質について、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどの大都市学区を取り上げ、植民地時代から現代までをフィールドリサーチの研究方法を用いて歴史的に考察する。「自由」や「平等」といったアメリカ的価値は、学校教育・家庭教育の中でどのように形成され、また変容してきたのか。本講義では、「子どもと大人の関係史」、「家族と学校の関係史」など、毎回テーマを設定し、先行のフィールドリサーチによって得られた「事実」を正確に把握しつつ新たな教育関係資料とつき合わせ、その事実をアメリカの社会的、経済的、政治的文脈の中で深く解釈し叙述する。
講義計画 以下の3つの柱立てのもとにすすめる。
 はじめに—アメリカ教育文化研究の方法論—フィールド・リサーチを中心にして
(1)アメリカ教育文化の歴史的研究
  (1)17世紀植民地政府下のタウン自治と教会・学校
  (2)移民の流入とコモンスクールの生成発展
  (3)1890から1910年代における新移民の流入と都市教育改革
  (4)1960・70年代の人種共学政策と貧困とのたたかい—ニューヨーク市オーシャンヒル・ブラウンズヴ
   ィルの闘い
  (5)1980・90年代の多文化教育政策と新しい学校(チャータースクールなど)づくり—シカゴを中心に
   して
(2)アメリカ教育文化論の基本問題
  (6)宗教・移民と教育(国民形成)
  (7)人種と教育—教育における平等の追求
  (8)貧困と教育—教育で貧困を克服できるのか
  (9)価値と教育—共和主義・民主主義の「教え込み」と教育における自由
(3)アメリカ教育文化の特徴
  (10)教育自治体(学区)と教育税—ロサンゼルス市学区とデトロイト市学区の事例
  ⑪親が校長を選ぶ—ニューヨーク市学区第40小学校とシカゴ学区ケンウッド・アカデミーの事例
  ⑫学校のミッションと基礎学力テスト政策
  ⑬公立学校と私立宗派学校と独立学校
  ⑭教育統治機構の再編—新自由主義な改革と新たな参加民主主義の追求
 まとめ—子ども・青年の幸福追求と学校・学区・州・連邦政府の役割
評価方法 研究発表(プレゼンテーション)とレポートによる。
テキスト 15回のテーマそれぞれにつき1〜2論文をテキストとし、約20本の論文冊子をテキストとして編集する。
その他