南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
川島 正樹
講義題目 アメリカ史の多文化主義的な再解釈の試み
開講キャンパス
講義内容 アメリカ合衆国はその成り立ちから、近代史において極めて独特な位置を有し、南北アメリカ地域のみならず世界的にも、政治・経済・文化において無視しえない影響力を及ぼしてきた。本講義は、実質的に唯一の超大国でありつづけるという意味でも重要度が高い合衆国を対象とした地域研究を、歴史的アプローチによって試みるものである。「階級」および「エスニシティシティ」や「人種」「ジェンダー」などが交錯する「アイデンティティ」、さらには「民主主義」と「正義」および「公正」との関係といった普遍的論点に焦点を当て、植民地時代から現在にいたる合衆国史に通底する本質的問題を考察する。
講義計画  下記のような内容で授業を行います。「はじめに」と「まとめ」を除く、1から3までの三つのテーマを、それぞれ3ないし4回ずつの授業を当てて学習するものとします。各テーマとも、テーマの最初の授業時に授業担当教員が概略や要点や受講生に課すアサインメントについて説明した後、次の授業からは討論形式を主体とした授業を展開としたいと考えています。

はじめに(授業担当者による全体的説明:多文化主義的アメリア史理解の史学史的位置付けや批判的見解について)
1.アメリカ史における「人種」の意義(その1:奴隷貿易・奴隷制と初期北米植民地の経済政治文化的発展との関係)
2.アメリカ史における「人種」の意義(その2:奴隷制廃止後の「人種」差別の復活に関する論争)
3.アメリカ史における「エスニシティ」と「人種」の相克(日系移民の強制収容を題材とした事例研究)
まとめ(多文化主義的アメリカ史理解の可能性と問題点の整理、各自のまとめペーパーのテーマ等に関して)
評価方法 各テーマで課されるアサインメント(45%)、授業全体を通してのまとめのペーパー(35%)、そして授業中の発言などの貢献(20%)を合計します。
テキスト ロナルド・タカキ『多文化社会アメリカの歴史』(明石書店、1995年)
Edward Countryman, ed., How Did American Slavery Begin? (St. Martin's, 1999)
John Davis smith, ed., When Did Southern Segregation Begin? (St. Martin's, 2002)
Alice Yang Murray, ed., What Did the Internment of Japanese Americans Mean? (St. Martin's, 2000)
その他  テキストは洋書を含め、授業開始日までに受講生がインターネット等を利用するなどして各自で用意するようにして下さい。なお不明な点がある場合には担当教員までメール(kawashma@nanzan-u.ac.jp)等でお問い合わせ下さい。