南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
担当者
阿部泰明
講義題目 言語学における意味論研究
開講キャンパス
講義内容  言語学者にとって必要な論理学の基礎を中心に据えた意味論の概論的講議を目指す。
意味論の基礎となる集合論、関係・関数論、推論、命題論理学、述語論理学、演繹、様相論理学、範疇文法、内包論理学、数量子などの問題を概観しながら、基礎を固め、その上で、自然言語の意味解釈の問題点を探る。指示の問題、確定記述、関係節、変項解釈、数量子の作用域の問題、束縛代名詞、先行詞内包型消去などの諸問題が意味論・統語論とどのような関わりを持つかに焦点を当てながら、言語学における意味論の意義について考察する。続いて、より具体的な分析を扱った論文を選び出して、意味論的課題を理解すべく探究を行う。具体的には、現代言語理論においてLF現象と呼ばれる言語現象に焦点を当て、様々な問題を取り上げて、意味論と統語論のインターフェイスの問題を考える。特に、数量子の解釈の問題、形式意味論における合成的意味解釈の理論、代名詞や照応形の分布と解釈などの問題を扱う。またLF現象に関わる近年の研究論文を選び出し、日本語や英語の現象にも焦点を当てながら、理論的考察を行っていく。これらの問題に関連する事象として、イベント意味論、テンスの理論、写像仮説、非選択的束縛などの諸現象も考察する。
講義計画 前期は意味論への導入コースで、特に背景的知識を必要としない。
・意味への取り組みの基本的アプローチ
・語彙的な意味論の紹介
・命題論理、述語論理の基礎
・数量子の概念と論理表示の問題
・一般的数量子の概念
後期は、統語論における意味論の諸問題を考察する。
・統語構造と意味論の関係
・統語構造における数量子の表示の問題
・数量子の移動と他の統語構造との関わり

【成績評価】宿題と学期末のテスト、学年末レポート
評価方法
テキスト プリント教材を配付
その他 とくになし