南山大学

 

Ⅰ.授業の概要

①講義科目名(単位数)

法務エクスターンシップ(2単位)

②担当者名

加藤 良夫

③科目の種類

実務基礎科目

④必須の有無

自由

⑤配当学年・学期

2年(既修者コース:1年)・集中

⑥授業の概要

既に学んだ法律上の知識や実務上の基礎的スキルを踏まえ、それらが実務の場でどのように機能しているかを学ぶべく一定期間法律事務所において実務研修を行います。

「南山大学大学院法務研究科実務指導弁護士」を委嘱し、標準修業コースの2年次(既修者コースの1年次)の2〜3月に院生各自2週間の期間、法律事務所において実務指導弁護士の指導を受けます。派遣前に、院生には実務家教員から守秘義務等について十分説明の上誓約書を提出してもらいます。実務指導弁護士に対しては、法科大学院のカリキュラムを示すと共に、研修の中で取り扱うことが望まれる実務研修の内容と方法を示したガイドラインを提供します。研修期間中、院生は毎日研修日誌をつけその日に何を学んだかを記すと共に、期間終了後には総括レポートを提出します。

⑦到達目標

「南山法科大学院エクスターンシップロイヤー」が執務している法律事務所等において一定期間実務指導弁護士の下で研修することにより基礎的な実務研修を行います。院生が既に学んだ法律上の基礎知識や実務上の基礎的スキルを踏まえて、それらが実務の場でどのように機能しているかを学ぶべく生の事件に触れつつ弁護士の仕事とその社会的役割への理解を深め、もって法曹に必要とされる幅広い能力を身につけるためのより一層の学習の動機付けを与えることを目的とします。

⑧成績評価の基準と方法

実務家教員が、実務指導弁護士からの学習状況に関する回答、院生の作成した日誌、レポート等を基にして成績を評価します。

⑨教科書

特に指定しません。(なお「法曹倫理」や「ロイヤリング」「法情報調査」とも関連づけて学ぶことが必要です。)

⑩参考文献・参考資料

未定

⑪履修条件その他の事項

 

 

Ⅱ.授業計画

担当

①テーマ

授業内の学修活動

④授業時間外の学修活動等

②ねらい・内容

③授業方法・工夫

オリエンテーション

エクスターンシップの具体的方法、内容、到達目標ならびに弁護士の日常業務の概要について説明します。

実務指導弁護士の所属する法律事務所の一覧を示し、貴重な体験ができることを感謝できるように工夫します。

弁護士会の業務案内パンフレット等を学習しておくことが望まれます。

弁護士業務の特殊性①

特に弁護士の守秘義務について十分理解させます。(特に院生には法律上の守秘義務があるわけでもなく、違反しても罰則がありません。)弁護士業務にとって守秘義務が生命線であることを学びます。

依頼者の立場に立って考えた場合、院生自身が同席することに対する依頼者の不安の中身を想像できるよう工夫します。

弁護士の守秘義務について事前に学習しておくことが必要です。

弁護士業務の特殊性②

特に弁護士の誠実義務について十分理解させます。

依頼者の立場に立って、誠実な対応の重要性を考えることができるように工夫します。

弁護士の誠実義務について事前に学習しておくことが必要です。

実習先での打ち合わせと確認

実習先に出向き2週間で学ぶべき具体的な内容と方法を打ち合わせると共に、守秘義務の重要性等を指導弁護士からも説明し、院生に誓約書を提出してもらいます。

誓約書を具体的に作成することにより、自覚を高めるようにします。

研修日誌に記載すべき内容、書き方について検討をしておく必要があります。

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実習

各々の法律事務所において具体的に研修を受けます。必要な研修の内容については指導弁護士宛に文書で示すとともに、事前準備の過程で実務家教員と協働して個別に確定させます。

必要な研修の内容の概要は以下の通りとします。

       聴き取り調査(事前に聴き取りの要点メモを作成し、聴き取り調査後は調査の要点を陳述書の形でまとめさせます)

       事案に関連する争点の明確化(事案の争点を明確に意識させます)

       事案に関連する判例や文献の調査(判例、文献等を速やかに調査させます)

       裏付けの証拠や登記簿謄本等の資料の収集(どのような証拠、資料が存在するか、それをどのように入手するか、実際にその一部を入手させます)

       簡単な示談書や契約書の作成

       民事・刑事の法廷傍聴(事案と争点についての理解と当日の手続上のポイントを踏まえ、それなりに準備に関わった上での傍聴)

       弁護士会の委員会活動や調停等傍聴

各実務指導弁護士の指導の下、可能な限り積極的に学習できるよう工夫します。

毎日研修ノートをつけ、学習した事柄を整理することが必要です。終了後速やかに担当者に総括レポートを提出する必要があります。

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報告会

実務家教員、指導弁護士及び他の院生の前で、エクスターンシップに参加した院生が実習の成果について総括レポートを提出し報告します。

研修ノートと総括レポートを基に成果について発表できるようにします。

各人の充実したエクスターンシップが報告会の内実を決定付けます。