00551 人間の尊厳(選挙と民主主義)
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選必 |
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春学期 |
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2 |
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2〜4 |
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井上 洋 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | |
講義内容 | 直接民主政治が可能な規模を超えて社会が大きくなった現代においては、国民がみずから選んだ代表たちから構成される機関(議会)を通じて、間接的にその意思を国家意思の決定と執行に反映させるという、代議制(代表民主制)が広く採用されている。この代議制(代表民主制)において、国民が国政を信託する代表を選出する選挙は、主権者たる国民の意思の表明の機会として最も重要な制度である。ところが、最近では、政治的無関心の増加、選挙における投票率の低下が著しく、代議制(代表民主制)の空洞化が指摘されるようになっている。また、「政治の言葉や理想が力を失い、政治の見せ物化が進んでいる」という意見もある。このような現状を踏まえ、本講義では、まず、選挙権の獲得を目指す社会運動を歴史的に追うことによって、選挙権の獲得が人間としての尊厳の確保を求める叫びと不可分のものとして主張されてきた点を確認する。そのうえで、政治参加、選挙制度、政党といったいくつかのテーマについて現状とその問題点を検討する。制度の細目の説明よりも、問題の所在を明らかにし、問題の克服について考えをめぐらせることに重点をおきたいと思う。 |
講義計画 | 1.はじめに──‘If I had a hammer’(邦題:「天使のハンマー」)から見た20世紀の社会と政治 2.政治的民主化の歴史──イギリスにおける、選挙権をめぐる社会運動、などを中心に 3.政治参加 (1)政治システムにおける、政治参加の位置づけ (2)政治参加の意義と形態 (3)多様な、政治との関わり方 4.選挙 (1)選挙制度 (2)日本の選挙をめぐるいくつかの問題(メディア選挙、世襲、マニフェスト) 5.政党 (1)政党システムの諸類型 (2)政党システムの変動と再編成 (3)政党組織 |
評価方法 | 筆記試験による。講義中の問いかけに対する発言や、講義終了後の質問など、積極的な受講態度も評価に加味する。 |
テキスト | 特には指定しない。講義に際し、資料プリントを配布する。参考文献・主題をさらに探るために読むべき文献については、講義中に適宜紹介する。 【そ の 他】講義中に言及するかもしれないので、次の映画を(ヴィデオを借りてでよいから)見ておくことを、勧めます。「遠い夜明け」(‘Cry Freedom’)、「炎のランナー」、「ブラス!」。 |
その他 |