00557 人間の尊厳(近代教育の理念と現実)
|
選必 |
|
春学期 秋学期 |
|
2 |
|
2〜4 |
|
高畑 祐人 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | |
講義内容 | 第二次大戦後の日本は戦前への反省から、西洋近代の人間と社会を今日まで発展させた理念的価値を受け入れ再出発することを選択した。したがって、戦後日本の学校教育もそうした価値を身につけることを目標として進められてきた。しかし、そうした学校教育のほころびはもはや放置できないくらい大きくなったと言われ、いま「教育改革」が叫ばれている。そうした「改革」の主旨は哲学的な視点から見れば、西洋近代哲学が普遍的価値として掲げていた諸理念の批判あるいは否定である。教育が人間形成であり哲学と密接な結びつきを持つ以上、それは避けられない帰結である。では、そうした諸理念的価値の何が問題なのか。人間形成の目標としてそうした諸理念的価値への信頼を再び取り戻すことは出来ないのか。具体的に言えば、学校教育は何を出来て何を出来ないのか。何をすべきであり、何をすべきでないのか。現代の教育問題に関するこうした問題意識に対して、近代の教育思想を手掛かりにして、人間的価値として将来世代に使えていくべきものは何か、それは教育においてどうすれば実現されうるのか、考えてみたい。 |
講義計画 | 以上の内容を以下のような項目に分けて考えていく。 1.近代における「教育」観念の変革と展開──近代的「学校」教育の誕生と変遷 2.戦後日本の学校教育の理念と変遷 3.「教育改革」論議の問題 4.カント哲学と教育思想 5.ルソーの教育思想 6.R.シュタイナーの教育思想 7.カント再考──共通感覚の訓練としての教育の可能性── 8.小浜逸郎の「教育改革」批判の批判的検討 |
評価方法 | 筆頭試験おるいはレポート |
テキスト | とくに指定しない。ただし、堀尾輝久『教育入門』(岩波新書)、苅谷剛彦『大衆教育社会のゆくえ』(中公新書)、田嶋・中野・福田『やさしい教育原理』(有斐閣アルマ)、小浜逸郎『子供は親が教育しろ!』(草思社)を講義の下敷にしていることを明記しておく |
その他 |