南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3〜4
担当者
遠藤 宏一
他の科目との関連
他学科履修
副題
講義内容  現代は歴史の大きな転換点である。経済のグローバル化の進展や情報化・サービス経済化等の産業構造転換を背景にして、「地域経済」も大きな構造変化を経験しており、このため「地域」が改めて注目され、地域政策のあり方が問われている。わが国に即していえば、極度の東京一極集中とそれとメダルの表裏をなす「究極の過疎化」を典型とする国土構造の急激な変化・歪みと、それから派生する様々な地域経済の諸問題がある。本講義はこのような諸問題を、(1)地域経済構造−(2)地域問題(都市問題・農村問題)−(3)地域政策(国土・地域開発)という三部構成で把握する政治経済学の方法に基づいて考察する。
 なおその場合に、地域・国土政策の展開と国土構造の変化いったマクロ分析とともに、個々の都市・農村類型のミクロの構造分析を積み上げて、地域経済の全体構造や動態を把握するという方法を重視する。
講義計画 1.地域経済論の課題と構成
(1)地域経済論の対象 (2)地域経済論の構成と方法
2.現代日本の地域類型と構造分析
(1)大都市圏の経済構造:その1−東京一極集中と「首都改造」−
(2)大都市圏の経済構造:その2−「地方中枢都市」化(名古屋大都市圏を素材に)
(3)地方中枢都市・地方中核都市
(4)地方工業都市とテクノポリス開発
(5)農山村−−戦後の農業・農村の変貌 
3.都市問題の政治経済学
(1)現代の都市問題と都市政策
(2)過疎問題と農村政策
評価方法 定期試験と出欠状況(随時、講義に対するアンケートを実施)で評価
テキスト  特定のものは指定しないが、以下の文献を随時、引用・参照する。
遠藤宏一『現代地域政策論−国際化・地方分権化と地域経営−』大月書店、1999
宮本・横田・中村編『地域経済学』有斐閣、1990(とくに序章と6章)
その他  地域経済論の三部構成のうち、「(3)地域政策」の領域は授業時間数の制約で講義できないが、隔年開講の「地方財政政策論」の一部で講義するのでその折りに受講されたい。