南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
MOHAMED Naima
他の科目との関連
履修対象学科
副題 中東アラブ文化理解
講義内容  日本はアジアに属しているにもかかわらず、これまでアジアを見過ごしてきた。そのアジアの文化的、経済的重要性が近年ますますクローズアップされてきている。わが国が21世紀における真の国際化に貢献するためには、これまでの欧米偏重主義を改め、アジアの一員としての自覚を再確認し、積極的にアジアに視野を広げなければならない。本講義は、このような問題意識のもとに、アジアの文化について理解を深める。
講義計画  中東アラブ社会の複雑な問題が起こるたびに、日本に直接間接にかかわってくる。
かつてオイルショックにおびえた日本は、遠く中東アラブ情勢が日本人の日常生活と密接に結びついている事を思い知らされたものだった。この講義を通して非アラブ世界の人間にとって理解しがたいいくつかの話題を取り上げて説明し、解明するために努力するつもりである。たとえば、結婚、離婚と一夫多妻、男女の教育格差、それに女性の権利と基本的人権について、日本の文化と比較しながら解明していきたいと思う。最終目的として、受講生の国際理解を養うためにもこのアラブ世界の風俗、習慣、信条さらにアラブ人の気質と性格をよく知らなければならない。
(1)誤解だらけのアラブ像  (A)日本の常識はアラブの非常識(黒い肌は美しい、他人の妻をほめてはいけない。)
              (B)女は夫以外に素肌を見せてはいけない。
(2)誤解と偏見の中の女性像 (A)チャドルは男女差別の象徴か?
              (B)女は男の所有物であるか?
              (C)今のアラブでは教育が女性の武器だ。
(3)アラブ式の結婚  (A)未婚の男女は半人前である。
           (B)結婚は契約関係である。
           (C)結婚も一種の商談である。
           (D)姦婦を処刑するのは当然だ。
(4)アラブ式の別れ方 (A)男は一方的に離婚できる。
           (B)一夫多妻は未亡人救済策。
(5)アラブの家庭   (A)妻が女の子を産むと、夫の立場はない。
           (B)男の子が産まれたら、女装と割礼が必要。
           (C)女の役割と男の役割。
(6)アラブ文化における葬儀と相続──この世よりもあの世が大事──
(7)アラブの商売とは──得して得とれ──。(A)定価のない商売の論理。
                     (B)利息をとるのは御法度?
                     (C)商売は、物の売り買いだけのことではない。
(8)男の面子にこだわるのはアラブ人も日本人も同じだ。
(9)アラブ人の接待には、用心が肝心──日本式接待は相互理解を傷つける。
(10)アラブ式「隣人の愛」の核と構造。
(11)アラブの名前の付け方。
(12)人口問題と産児制限。
評価方法 毎回、出席をチェックする。それにテストを行なう。テストの結果、および、出席状況、平常点を加味して判定する。評価については、初回の授業時に説明する。
テキスト テキスト、参考書等は講義の中で指定する。
その他