06775 政治・経済の諸相5
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選必 |
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秋学期 |
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2 |
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1〜4 |
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友岡 敏明 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | 個人と政治・経済・国家とのかかわり──自由観の変遷── |
講義内容 | 人間、したがって政治・社会・国家の捉えかたは時代とともに変わってきた。その関係の歴史が進歩の過程か退歩のそれかといった単純な規定は、不可能であり、あえて言えば、その両方であったとしか答えようがない。これからの歴史も退歩と進歩がないまざったものであるに違いない。 また、ある歴史段階に出現した政治・社会・国家を支える理念が永久に無修正に続くと見るかどうかという点にかかわる問題がある。これについては、次のように言える。すなわち、理念の抽象のレベルにもよるが、理念の無修正の継続はがありえないことは経験が教えている、と。換言すれば、ある時代に出現する理念はやがて濫用に陥るか、時代が提起する問題に答えるには硬直的過ぎることになるという歴史法則を、その経験が感知しているということである。 この講義では、そのような歴史法則の具体的な例証となる「自由」の観念を取り上げて、その近代的自由の誕生と進展、およびその進展に伴う政治・経済事象(一方における人権観念の高まりと他方における資本主義の発達)に急(せ)かされて自由そのものが変貌せざるを得なかった過程(新自由主義の出現と自由の対象の変化)を紹介することにする。1980年代以後のレーガン、サッチャー、中曽根の名前で代表される新保守主義の台頭も、この揺れ動く「自由」観の下で整理することができる。 |
講義計画 | 具体的な講義のスキームは以下のようである。 (1)近代の枠組み──国家と個人── (2)自律的個人のいくつかの相貌(権利主体と漂流する孤独者) (3)産業革命と自由な経済活動を支える理論 (4)Climbing boysの事例を通して見る社会問題とその解決 (5)新自由主義の出現から社会主義へ(グリーンと河合栄次郎) (6)新自由主義の行詰りと新保主主義の出現 |
評価方法 | 問題意識への真摯な取り組み、したがって授業への取り組みにおける誠実度を参照し、定期試験における達成度で見る。 |
テキスト | 特に指定せず。 |
その他 |