南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
斎藤 夏来
他の科目との関連
履修対象学科
副題 室町・戦国・近世初期の政治と宗教
講義内容  戦国時代やその前後の時代は、ともすれば実力のみを価値とした時代とイメージされ、現代社会はそこからさまざまな「教訓」を引き出しがちである。しかし戦国期やその前後の時代は、本当に現代の実力主義的風潮にのみ教訓を与えるような時代だったのか。むしろこうしたイメージは、実力以外の諸価値、たとえば宗教のような文化的要素が当時どのような影響力をもっていたのか、十分にはわかっていない研究状況の遅れを示しているとも考えられる。信長、秀吉、家康といった天下人の本当のおそろしさは、政治的、軍事的、経済的な実力を用いて神仏を踏みつぶしたという点にあるのではなく、自己を支える神仏や宗教、ひろくいえば文化の重要性を理解していた点にある、との見通しに立って検討を進めたい。
講義計画 1.過去と最近の研究動向/辻善之助『日本仏教史』あたりから、最近の研究動向までを概観し、どのようなことが研究上問題とされてきたのか確認する。
2.足利政権(室町幕府)の宗教政策/足利政権がとくに重視していた禅宗を中心に、具体的な歴史史料もできるだけわかりやすく提示しながら、検討を進める。
3.信長の宗教政策/信長が発行した文書類から、寺社関係の史料を整理・提示したいと考えている。宣教師の記録などにも触れるかもしれない。
4.秀吉の宗教政策/秀吉が発行した文書や、寺社に伝来している秀吉の肖像画などにも触れることができればと考えている。
5.家康の宗教政策/家康が発行した文書類から、寺社関係の史料を整理・提示したいと考えている。(以上の予定は、講義の進行具合や準備の都合で、適宜変更することがある)
評価方法 学期末の試験結果を中心に評価する。試験は持ち込み可の予定。その他、任意のレポート提出を受け付けることも考えている。
テキスト 参考となる図書は、講義において適宜紹介する。
その他