20011 他者と自己
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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その他を 参照 |
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坂井 信三 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 人格概念の民族誌 |
講義内容 | 私たちの日常生活は、一人ひとりの人が統合された固有の人格をもっており、社会的交渉をおこなう自分と相手は、それぞれ人格の同一性を保持していることを暗黙の前提として営まれています。しかし人格の統合と同一性は必ずしも自明のことではなく、場合によっては人格の分裂や崩壊という事態があり得ることも事実です。 また人格の統合と同一性のあり方は、文化によってもちがっています。たとえば私たちの社会では、人はいつもひとつの「自分」だけをもっていることになっているので、別の「自分」をもってしまうような経験は異常な出来事として公共的な社会生活からは排除されますが、世界の多くの文化では、たとえば「憑依」や「シャーマニズム」という形で、そのような経験を慎重に社会生活のなかに取り込み、位置づけているケースが多くあります。 このように社会的存在としての「ひと」の概念や「自己」「他者」のあり方は、私たちにとって常識となっている人格観だけではカバーしきれない複雑さをもっています。講義では、文化人類学の立場からアフリカやオセアニアの民族誌を例に人格のあり方と社会・文化の関係を再検討し、「人間」についての私たちの見方を考え直すきっかけとしてみたいと考えています。 |
講義計画 | 人格概念に対する人類学的関心 西アフリカの諸文化における人格観 1.世界の中の人間の位置 2.社会的地位と人格 3.儀礼的同盟と人格 メラネシアの諸文化における人格観 1.人間と亡霊 2.人格と身体 3.集団と個人 憑依現象とシャーマニズム 現代社会の人格観と民俗的人格観 まとめ |
評価方法 | 定期試験による |
テキスト | 指定しない 【そ の 他】2004生以降は2年秋〜、2000〜2003生は2年春〜 |
その他 |