南山大学

 
指定
期間
夏期後半
単位
年次
2〜4
担当者
桑子 敏雄
他の科目との関連
他学科履修
副題
講義内容  本講義は、環境と社会の望ましい関係を築くために欠くことのできない市民参加と社会的合意形成という課題について学びます。
 講義の部分では、戦後半世紀の間に疲弊した日本の国土環境をどのように再生してゆくかという問題について、日本の伝統的思想を現代に活かす方策をさぐります。また、現代社会では、環境行政や国土行政に市民参加と合意形成とが不可欠の要素となっていますので、社会的合意形成の理論と実践をワークショップ形式の授業によって学びます。
 講義とワークショップの具体的な進め方については、受講生数や受講生の関心に応じて決めます。講義の内容は、だいたい以下のような順序で進めますが、講義の参加者との話し合いによって柔軟に運営します。(『環境の哲学』をあらかじめ読んでおいてください。)
講義計画 1.環境と空間
2.風景と景観
3.視線のにぎわい・視点の共有
4.「ローカル」と「グローバル」
5.自然再生
6.「住民参加」と「市民参加」
7.コミュニケーションとは何か
8.合意形成とは何か
9.合意形成プロセスの構築
10.合意形成の手法
11.ファシリテーションとは何か
12.ワークショップのデザインと運営
評価方法 レポート
テキスト 桑子敏雄『環境の哲学』講談社学術文庫

【そ の 他】 受講生に対する希望:この講義では、講義内容を「聞くこと」とそれに対する自分の意見を形成して発言することの両方を重視します。環境の問題は、結局、環境の問題を人間どうしがどのように解決してゆくかという問題についての、社会的合意の形成の問題であるということが本講義の主眼です。環境についての考え方を理解するだけでなく、自分自身の態度をしっかりと形成してゆくことが21世紀の社会に生きる者にとっての課題です。哲学的なベースにもとづいて自分の考え方を形成し、積極的に発言するトレーニングの場として、この講義を活かしてほしいと思います。
その他