南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
2〜4
担当者
原 久仁子
他の科目との関連
他学科履修
副題 日本列島の文化と歴史の多様性と大陸との交流の実像
講義内容  最終氷期が終わって地球が温暖化するに従って形成されたのが、日本列島である。その日本列島の様子を最初に記したのは、中国の歴史書である。そこでは「倭」と記してあり、それは紀元前1世紀のことである。考古学的には弥生時代のことである。その後、古墳時代に至る間、倭のクニグニや王のことが中国の歴史書に登場する。やがて、7世紀後半に入ると、日本列島統一の高まりとともに、倭からかわって日本が登場する。8世紀のことを記した中国の歴史書には、日本列島を支配する国として「日本」が明記される。
 本講義は、このような倭の形成から日本の登場までの日本列島の文化と歴史を、従来のように倭から日本へという形で説明するだけではなく、倭や日本の文化が及ぶ範囲以外の日本列島にはどのような文化が展開したのか、そのことをも視野に入れて、北に展開した北方文化としての続縄紋文化や擦文文化・オホーツク文化のこと、南に展開した南島文化としての貝塚文化のことをも含めて、「中の文化、北の文化、南の文化」という形で説明するものである。と同時に、「中の文化、北の文化、南の文化」は、それぞれが大陸との交流を独特な形で繰り広げてきたことが近年の考古学的成果により、より鮮明になっていることに依拠しながら、それぞれの文化の大陸との交流関係を説明するものである。
講義計画  下記の項目をもうけて、考古学資料を多用しながら、それぞれ1〜2回の講義で説明する予定である。
(1).「倭」の文化としての弥生文化と古墳文化
(2).「日本」の文化として飛鳥・白鳳文化
(3).「倭」・「日本」と「毛人」・「蝦夷」
(4).北海道の続縄文文化と擦文文化・オホーツク文化と琉球諸島の貝塚文化
(5).「中の文化、北の文化、南の文化」の海外交流ルート
(6).朝鮮半島との交流の意義
(7).まとめとしての「複眼的に見る日本列島史」
評価方法 学期末に試験を実施する。出欠状況、授業態度も評価に反映させる。
テキスト 必要に応じてプリントを配付する。
その他