南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
松田 京子
他の科目との関連
他学科履修
副題 海を渡った「日本文化」、日本社会のなかの「異文化」
講義内容  19世紀後半以降の「世界」は、さまざまな交通・通信手段の発達により、いわば距離が縮まり、それぞれの地域の経験は、相互関係性が一段と強くなったと言われています。「日本」、「日本文化」もその例外ではありません。近代期の日本は移民を送り出していた国の一つで、多くの人々が、日本の非勢力圏であったハワイや南北アメリカ大陸、また勢力圏であった台湾や朝鮮半島、中国東北部といった諸地域に移り住みました。また逆に、日本社会内部にも異なる文化的背景を持つ人々が定住するようになり、とりわけ1920年代には東京や大阪、名古屋といった都市部を中心に、朝鮮半島出身の人々が集住地区を形成するようになります。
 このような、いわば日本社会のなかの「異文化」は、周囲の人々にどのような影響を与え、交流や葛藤を生み出していったのでしょうか、また海を渡った「日本文化」は、移出先の社会にどのような影響を与え、交流や軋轢を生み出していったのでしょうか。本講義では、このような問題を、特に映像作品などを素材として、考えていきます。
講義計画 1、序 海を渡った「日本文化」−日本から海を渡った人々−
    日本社会のなかの「異文化」−日本へやって来た人々−
2、日本社会のなかの「異文化」
    前近代の「異文化」交流:VTR『江戸時代の朝鮮通信使』より
    KOREA TOWN?:在日朝鮮・韓国人社会形成史
    「文化」の交流・葛藤:青丘文化制作ビデオ作品、大島渚監督映画etcの視聴より
3、海を渡った「日本文化」
    「同化」支配という問題−勢力圏内への「日本文化」の移出−
      植民地・台湾に渡った「日本文化」:映画『サヨンの鐘』etcの視聴を通じて
      「満州」に渡った「日本文化」:『満州ニュース映画』etcの視聴を通じて
    「日本文化」の痕跡:映画『非情城市』etcの視聴を通じて
評価方法 講義への積極的参加、筆記試験。
テキスト プリントを配布します。参考文献については、講義中に適宜、紹介します。
その他