南山大学

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指定
 選
期間
 春学期
単位
 ２
年次
 3・4
担当者
 友岡　敏明
他の科目との関連
他学科履修 可
副題
講義内容 　「政治」への知的接近が始まった古代ギリシアら始めて古代ローマにいたる政治思想を概観する。古代ギリシア政治思想が見せる顕著な発展の線は、ホメロスの神話においてまったく物の数にも入らなかった民衆が次第に政治の無視し得ざる存在に変貌し、ついにはトゥキュディデスが伝える古代アテネの民主政の主役として登場する過程である。他方、皮肉なことには、近・現代に影響力を持つ偉大な政治思想が姿を見せるのは、このアテネ民主政の堕落を目撃しつつあったソクラテスに起源し、これに続く思想の一派（大・小ソクラテス学派）においてである。とはいえ、古代ギリシアは、この民主政へ向けた発展と民主政の堕落・退廃の中からの政治的思索の発展という両極面の中から考えられるべきで、本講義では、都市国家（ポリス）から世界国家（エンパイア）へと政治の舞台を変えた古代ローマに伝播した政治思想（小ソクラテス学派の系譜の末端に登場するストア思想）を含めて、その両極面で生まれた政治的思索（国家の本質と価値、国家と人間、政治の本質、政治と道徳等）に触れる。思想の学習の本質は知的追体験にあるとの前提で、生きた原資料に触れてもらえるように原典から抜粋した資料をコピーで配付する。
講義計画 次のようなオーダーによる。
(1)政治思想史という学問（対象と方法）
(2)ホメロスとソロン（古代ギリシア政治思想の出発点）
(3)ペリクレスの演説（デモクラシーの祖型、古代ギリシャ政治文化の成熟の象徴）
(4)アテネ・デモクラシーの本質と堕落（近代民主主義への警告）
(5)ソクラテス（アテネの堕落から出た思想的ビッグバン）
(6)プラトン（理想主義的政治論、個と公の緊張、改革とファシズムの危険性）
(7)アリストテレス（現実主義的政治論、政治の総合的把握）
(8)ゼノン（超ポリス時代への適応）
(9)キケロとセネカ（古代ギリシャ思想の継承と発展と近代へのメッセージ）
評価方法 授業への日常的な取組み、定期成績で総合的に評価する。
テキスト 特に指定せず。
その他