南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
1
担当者
川= 勝
他の科目との関連
他学科履修 不可
副題 日本経済史の基礎研究----国際環境の中の開国・開港
講義内容 まず〈春学期〉に、文化と経済の二つの視点から、幕末から明治時代前期の主要な輸出品であった茶について考えてみる。次いで〈夏期合宿〉で、絵画史料を使って、幕末のペリー来航から、明治維新を経て、文明開化にいたる時代の変転を、ヴィジュアルに読み解いていこう。そして、〈秋学期〉には、それに対応する文献を読みながら、その時代の様相に迫ってみたい。
〈春学期演習〉 テキスト(1)を読みながら、この時期の経済、社会、文化など、広い世界史的視野から研究                    
       を始めていく。
〈秋学期演習〉 テキスト(3)を輪読して、イギリス商人トマス・グラバーの伝記を通して、幕末維新期の貿
        易の様子などを学び、次いで、その研究成果は、どのような史料を使って、どのような分
        析によってできあがったかなどを考え、史料批判の方法を身につけていく。
〈夏期合宿〉  史跡見学とそのテーマに関する研究発表と、テキスト(2)の絵画史料の読み解きを行なう。
       (いまのところ、9月中〜下旬頃、「明治村」「横浜居留地跡」などから一つ、見学を考え
        ている)
〈その他〉   コンパなども、演習の一環と位置づけ、適宜行なう。
講義計画  演習は、教師の話を受身で聞くのではなく、学生一人一人が進んで調べ、研究し、報告して質疑を行ない、討論しながら研究の基礎を作っていくものであるから、次のように進めていく。
 1 各自にテキストをテーマごとに割り当てて、報告・討論する。
 2 報告者(テーマによって2〜3名)が、テキストの要旨と重要用語説明と討論したい問題点を記し
   たレジュメを配布して、内容説明をする。
 3 報告者でない学生も、毎時間、要旨・用語解説・討論用の問題点を記したレジュメを用意しておき、
   報告者の発言と比べながら、全員で質疑応答・討論する。
 4 報告者・報告者以外の者もともに、毎時間の最後にレジュメを提出する(レジュメの提出で出席と
   みなす)。
 古い時代のことを学ぶためには、難しい字や用語を丁寧に調べる必要があり、時には苦痛を感じるときもあるだろうが、意味を理解できたあとに見えてくる歴史の姿に接する楽しみに出会おう。
評価方法 出席、報告、発言、レジュメの内容、書評、修了論文、ゼミ活動への積極性などから、総合的に行う。
テキスト (1)角山栄『茶の世界史』(中公新書)中央公論新社、1980年
(2)小西四郎監修・黒船館編『図説・黒船の時代』河出書房新社、1995年
(3)杉山伸也『明治維新とイギリス商人』(岩波新書)、1993年
その他