南山大学

 
指定
期間
夏期前半
単位
年次
2〜4
担当者
小巻 泰之
他の科目との関連
他学科履修
副題 経済変動における光と陰:「高度成長」と「失われた10年」
講義内容  今年度は、経済変動における光と陰について検討する。
 経済変動論Aでは、経済変動の光として「高度成長」を取り上げる。「アジアの奇跡」と言われた1960年代の高度成長期は、経済にとどまらず、政治、社会に著しい変化をもたらした。こうした高度成長は、なぜ可能となったのか。現在、中国がまさに高度成長のさなかにある。中国と日本との高度成長を比較検討し、人類史上でも稀な時代を振り返る。
 経済変動論Bでは、経済変動の陰として「失われた10年」を取り上げる。バブル期に頂点に立った日本経済は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで評価された。しかし、90年代に入ってバブルが崩壊するとともに、日本はその地位から失脚し、日本的経済システムも不良品のような扱いを受けている。また、景気の低迷は長期間続いている。こうした状況は、日本だけの経験ではなっかた。19世紀の英国も「世界の工場」を賞賛された時期から、大不況と呼ばれる時期を経験する。英国との比較を通じ今後の日本経済を展望する。
講義計画 経済変動論A 「高度成長」
第1日目(第1〜4回):高度成長前後の日本経済
      (1)1950年代の日本経済、(2)高度成長期の日本経済、(3)中国の高度成長
第2日目(第5〜8回):高度成長のメカニズム
      (1)人口の大移動、(2)米国の傘の下、(3)高度成長の屈折の原因
第3日目(第9〜12回):財政金融政策
      (1)マクロ政策とミクロ政策、(2)均衡財政とその崩壊、(3)ニクソンショック
経済変動論B 「失われた10年」
第1日目(第1〜4回):バブル成長とその崩壊
      (1)バブル経済の発生、(2)バブル経済の崩壊、(3)バブル経済崩壊の影響
第2日目(第5〜8回):「世界の工場」と「大不況」
      (1)大不況の原因、(2)大不況からの脱却、(3)米国とドイツの存在
第3日目(第9〜12回):財政金融政策
      (1)財政政策の効果、(2)ゼロ金利・量的緩和政策の功罪、(3)今後の展望
評価方法 毎回、講義最終時に小テスト(所要時間30分程度)を行う。最終日に試験を行う。
成績評価は、試験(ウエイト70%)と小テスト(ウエイト30%、各回15%)でおこなう。
テキスト 特に、テキストは使用しません。
参考書については、授業中に適宜指示する。
その他