南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
松井 清治
他の科目との関連
他学科履修
副題
講義内容  日本の総合商社は、外国に類例を見ない独特な企業形態をもち、地球規模で活動している国際総合事業会社である。日本経済の発展とともに、時代と市場のニーズに対応して金融・物流・コンサルティングなど多様な機能を開発して、貿易を中心とした商取引にとどまらず、あらゆる産業分野にわたり事業投資活動を展開・拡大してきた。※最近は巾広い業種で事業活動をする総合商社の持つ機能がメーカーに期待されてバイオ・ナノテクノロジーなどの先端技術の研究・開発や事業化にも着手している。
 総合商社は、明治初期に誕生したが日本の近代化、とくに第二次大戦後の日本の経済・産業発展の縮図と言えるであろう。IT(情報技術)の発達でグローバルな情報化時代を迎え、激変する内外の環境に対応して、総合商社はその機能と役割をどのように位置づけ、またどのような企業戦略を展開して行くのか、改めてその存在価値が問われている。
 そこで、日本の経済・貿易動向、経済協力および地球環境問題などについて考察しながら、“総合商社とは何か”、現状と課題および将来像を展望する。
講義計画 1.総合商社とは:総合商社の特徴、活動と機能、商社の役割、経営組織
2.日本経済と総合商社機能の変遷:明治初期から今日までの日本経済の発展と商社の活動
3.世界経済と総合商社の活動:世界貿易と商社の活動、国際協力への取り組み
4.総合商社と6大企業集団:再編成が進む企業グループと総合商社の関係
5.総合商社の経営戦略と将来像:グローバル化の進展と日本の経済構造改革への対応
 授業では、国際通商問題、地球環境問題あるいは日本の経済協力における商社の役割や活動のトピックスも取り上げ、またビデオによる商社活動の事例や35年余の商社の実務体験談などを交えて、国際ビジネスの実態に触れることとする。学生諸君が履修する国際経済学、国際経営論など関連科目の参考になることを目標としている。
評価方法 授業への参加度(出席状況、質疑応答など)と期末にレポートの提出を求める。
テキスト レジュメ「総合商社論」を4回に分けて配付、関連資料を随時配布する。
その他 質問などe-mailでも受付ける。k-matsui@dab.hi-ho.ne.jp