南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
岡田 悦典
他の科目との関連 刑事訴訟法B、刑法総論、現代社会と刑法各論A・B、刑事政策
他学科履修
副題 刑事訴訟法の基礎理論—捜査法および公訴提起—を学ぶ。
講義内容  刑事事件の被告人は、刑事裁判によって有罪か無罪かを裁かれることとなります。そのための刑事手続きは、憲法上の規定と刑事訴訟法に基づいて、運営されています。本講義は、刑事手続きの前半部分、すなわち捜査法および公訴提起の仕組みについて解説することにより、刑事訴訟法の基礎理論を学び、現在の刑事手続きの問題点を考察すること狙いとします。
 特に、刑事手続の仕組みを学ぶに当たっては、歴史的に培われてきた伝統的な手続構造が存在する反面、新しい現代的な課題にどのように対処していくのかという、古くて新しい側面を同時に考えていく作業が必要になります。そのためには、手続の仕組みの根幹から物事を考えていく作業が、受講生には必要とされます。したがって、基本的な手続の理論的枠組みを取り上げていくとともに、現代的な課題についても目配りしつつ、今問われている問題について切り込んで行くことを目指します。
 この講義は、刑事訴訟法Bと連携した講義です。本講義では、まず、刑事訴訟法の基本理念を解説した上で、捜査法の問題に入る予定です。刑事訴訟法Bでは、公訴提起以降の問題を扱う予定です。
講義計画  以下の内容を扱う。
1.刑事訴訟法の基本理念・基本構造
2.刑事訴訟の関与者
3.裁判員制度
4.捜査の原則
5.捜索・差押え(1)
6.捜索・差押え(2)
7.逮捕・勾留の手続
8.事件逮捕の原則
9.弁護人依頼権と接見交通権
10.被疑者取調べの法的規制
11.黙秘権
12.公訴提起の原則(1)—検察官の訴追裁量
13.公訴提起の原則(2)—訴追裁量への控制
評価方法 定期試験による。
テキスト 授業中にレジュメを配布します。参考文献として、白取祐司『刑事訴訟法』(日本評論社)、福井厚『刑事訴訟法講義』(法律文化社)、刑事訴訟法判例百選(第8版)を参照のこと。

【そ の 他】 憲法、刑法をまだ一通り学習していない人は、この講義と合わせて学習することが望ましいと思われます。常日頃から、新聞などで刑事事件のテーマについて目を通しておくことをおすすめします。
その他