南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
井上 洋
他の科目との関連
他学科履修
副題 日本の行政システムの政治分析
講義内容  政策立案、政策決定、広くは政策過程における内閣主導の確立(「政治主導の確立」と呼ばれることもある)、政策過程に関わる内閣機能の強化、さらに内閣の首長たる首相のリーダシップの強化が言われて久しい。このような主張は、すでに第一次臨時行政調査会の答申(1964年)の中に見られ、現在の小泉首相による「トップダウンの決定」の強調に至るまで続いている。このような主張がずっとなされてきているということは、内閣主導、首相の強いリーダシップが求められ続けてきたにもかかわらず、未だに得られていないということを意味する。政策立案、決定における、そして政府の基本方針定位における内閣主導、首相のリーダシップは、何故に確立されずにきたのだろうか。それの確立を阻んできたものは何なのだろうか。この問題を切り口に、戦後日本の政治と行政の関係性について、制度と実態の両面から考察する。そのなかで、内閣制と省庁制、官僚制の作動様式、行政管理と行政改革などについて、説明する。
講義計画 1.はじめに:戦後日本の内閣政治と政策過程の問題点
2.議院内閣制の制度原理
3.戦後日本の議院内閣制
4.制度運用の実態1(自民党の長期一党支配と歴代内閣の短命性)
5.制度運用の実態2(自民党議員の恩顧主義的政治行動)
6.制度運用の実態3(政府与党間折衝と「与党主導」)
7.内閣の総合調整機能強化の試み
8.省庁制
9.第二次臨調と「中曽根行革」
10.「橋本行革」と2001年中央省庁等改革
評価方法 筆記試験による。
テキスト 参考文献については、講義のなかで紹介する。基本的に、毎講義時、資料を配布する。
その他